FIS WORLD CUP SKI JUMPING SAPPORO 2011
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例年、札幌のWCは、ジャンプ週間が終わってフライングがあり、ザコパネの前か後か。これまでもフライングは飛びたくないと帰国し、TV局杯三連戦に出る日本人のWC組はいた。COC選手と力の差がありすぎてゲートを下げて飛んだりもしていた。調子が悪くての帰国であれば試合に出ていたのでは調整できない。しかし今回は試合に出るために帰ってきているのだから、試合に出ないという選択はない。TV局杯の最初の2つを勝ったのは先に帰国していた湯本。三戦目にやっと葛西。コンチの選手に勝たれてしまうということはさすがになかったものの、圧倒的な強さがあったかというと疑問だった。WCはゲートがちがうだろうから。
今年はマリシュが早々に札幌行きを公言。とても調子がよく、休む必要がないからと。いくら好調でも、どういう風の吹き回しか、と思う。マリシュが最後に来札したのは2004年。12位と11位だった。最初にWC総合優勝した00/01は札幌で連勝。2001年はなんとサマーGPにも来日している。今年はハラホフが終わった時点で総合4位。トップのモルギィとは493点差。札幌の欠場が後々、総合の表彰台に関わってくることはあるだろうが、参加選手が少ないと見られる札幌で弾みをつけようという考えか。 アホネンやハウタマキにとって札幌に来ることはそれほど意味のあることには思えなかった。だから、来るらしいと聞いたときは驚いた。MTVのブログにもこの2人は札幌を回避とあったから、来るという選択もあったのだろう。ラリントは離脱していなかったらぜひ来てほしかった、シーズンを通して戦える一流選手を目指すなら。 ドイツはノイマイヤーを除いて実はほぼベストメンバーだったりする。札幌のCOCとWCのメンバーを比べるとちょっとおもしろい。COC:ボーグナー、ブローダウフ、ホアラッハー、ムジオール、シュペート、ヴァンク、ヴィンクラー。WC:ホッケ、フロイント、ウアマン、ボードマー、フライターク、ショフト。どっちがどっちに出ていてもおかしくない。あまり差がないとも言える。なのに誰1人、WCに残らなかった。だから名が知れてるからという理由だけではWCに定着できない。 AUTはコッホ、ロイツル、シュリーレンツァウアーが来札を取りやめた。シュリーリはNCのゼーフェルトWCでテストジャンパーをするという。 NORは札幌のCOCの後、韓国へ渡り、戻ってきた3人、レンセン、ストイェルネン、ガングネスに加えてスクレット、エルヴェルムソルセル、イングヴァルトセン。もうさ、絶対、Aチームよこさないよね、ミカったら。 |
:公式練習:GF:9.00/m WF:11.70 m/s
よっぽど向かい風なんだろう、6とか5とか、聞いたことも見たこともないようなゲートでトップは飛んでいる。1本目がMax2.23m/s、2本目、雪が降り始める。風は1.74m/s。先週のSTVは同じぐらいの風でゲート14。おかしいやら、切ないやら。 |
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:第17戦 予選:GF:9.00/m WF:11.70 m/s
G10(82.10m) G12(+1.00m -9.0点) 札幌のコンチが終わって韓国に行き、戻ってきた4人の選手たち(NOR3+CAN1)。悪天候で飛行機が遅れ、道も渋滞であわや間に合わないかというところだったが、予選が終わる寸前に到着し、滑り込みセーフ。1人は予選落ちしてしまった。 予選を勝ったのは、練習1本目から風が当たりっぱなしのウアマン。日本人の名前も上位に並び、シード選手を考慮に入れても、本戦でシングルに入れるのではないか。 アマンは練習を2本飛んで、ホテルへ帰っていった。 |
1本目のゲートは12。試技はゲート10で始まったが途中で2つ上げられた。1本目が終わって1位マリシュ、2位コフラー、3位ウアマン、4位モルギ、5位フロイント、6位コルニロフ、7位栃本!! 4位モルギと1位マリシュの差は6.2点、距離にして3.5m。なんとなくマリシュが勝ちそうな気がした。勝ったら、どれぐらいぶりだろう?と思う。ここ札幌で、そしてWCでも。予選1位のウアマンが3位につけている。マリシュとウアマンは1mを越える向かい風だった。 1本目、最長不倒がHSに達しなかったので、風が出てきても大丈夫と踏んでか、2本目のゲートも12。ところが風は吹かなかったし、雪も降ってきた。フロイントが飛んだあと、最後4人は追い風に。K点越えが2本しか出なかった。Man of the Dayのウアマン。表彰台は逃してしまったが、5位は今季、最高。 優勝したフロイントは22歳。初優勝。元コンバインド選手(といっても子供のころ)で純ジャンプに転向。ドイツ人の優勝はなんと4年ぶり('07.1.28 オーバーシュトドルフのウアマンが最後)。TV局は試合前にドイツのコーチに取材している。その中で(偶然にも)「フロイント選手ってどんな選手ですか」と質問をしている。「踏み切りの強い選手で、ここ2シーズンぐらいでフライトもよくなってきている。今季、エンゲルベルクで8位、オーバーシュトドルフで6位に入っていて、いいときはシングル、でもよくないときは2本目に進めないなど、安定しないので、総合で順位を上げるにはまだまだ」と言われていた。派手さはないけど、綺麗なジャンプをする。札幌は実は3回目。'05COCと去年のCOCとWC。去年のWCでは予選を勝っている。COCではこれまで4勝。'08年ジュニア世界選手権団体金メダルメンバー。「信じられない。常に上に行く努力はしているけど、でもここで勝つことができるとは思っていなかった。運も必要で、今日のボクにはあった」それにしても、ドイツ人、もれなく足が長い...。
WC総合 |
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No.26,28,30,31:12(-1.00m +9.0点) 27番湯本クンは靴の金具だかビンディングだかが壊れてあとから飛んだ。29番は失格。 No.32-46:10(-2.00m +18点) 葛西選手、トップ、とっちぃ3位。今日こそ、シングル!! シード選手に入って、また、とんでもないゲートに。マリシュはゲート7で131.5m飛び、最後3人はゲート6。それでもコフィは向かい風で131m、アマンはただ1人追い風で撃沈。ちなみに追い風は全員の中でも3人だけだった。 いくら向かい風だったといっても最初の半分以下の長さのゲートだよ。本番のゲート設定、難しそう。 |
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:第18戦: 昼間ということもあり、きのうよりずいぶん暖かい。雪が解けている。ワックス、大変だろうなぁ。AUTはついこの前まで飛んでいたハーフェレ('07引退)が7人分のワックスを早出してかけている。 1本目のゲートは8。トップ10に入ると風は止み始める。モルギィは1.43m/sあったコフィと比べると1.24m/s少ない。WF数値はマイナスだけど風は追っていた。13位。去年の失格。2本やっていたらきっと勝っていた'05年...。ああ...。きのうの勝者、フロイントがトップで折り返す。もう2勝目なのか?! 2位コフラー、3位マリシュ。4位栃本、表彰台まではあと5mあるが、このままならMan of the Day!! ドイツの二連勝もいいかなと思うが、コフィに勝たせたかった。きのうも2本目、風が今イチで表彰台を逃しているから。 フロイント:「2本目、デコでバラけた。だから2位にとどまれてうれしい。まさかここで180点も獲れるとは思っていなかった」 モルギィ:「きのう同様、難しいジャンプだった。でも楽しかった。1本目、風がやや巻いていて、ちょっと失敗もした。今はメンタルとフィジカルも成長していて、安定して飛べている。でも常に向上していきたい」
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アマンとマリシュは来た甲斐がなかったか?! マリシュは勝てそうだった。勝ちを逃したとネガティブに見るより、勝利はすぐそこまで来ていると考えた方がいい。彼は会見で言っている、短い板は徐々に扱えるようになってきていると。昨季から出てきたビンディングとBMIとスキーの長さの関係。新しいビンディングのお陰でスキーが平らに保てるようになり、多くの風を受けられるようになった。それで必ずしもスキーは長い必要がなくなった、とAUTのメディアは伝えている。むしろ長すぎるスキーは抵抗になり、それよりは軽い体重の方が距離に繋がるとも。再び、小柄なジャンパーの時代が来るのか?! アマンは、今季、総合優勝は難しいだろう。札幌が終わった時点で1位モルギと470点差、2位コフィとは18点差。残り11戦。残り全部をアマンが勝ったとしても優勝はかなり厳しい。しかしここで最大200点失うことは、総合で表彰台を狙う上では避けたいことだ。アマンは自分の帰りの飛行時の時間も把握してないような、いろんなことに無頓着な人だ。目立つの大好き、喋るの大好き。だから、「え〜っ?!今?!」というようなタイミングのインタビューにも平気で答えたりする。そのフランクさに乗じて、無神経で長すぎる取材。それで彼はソルトレイクの翌年のシーズンを棒に振ったのだから、解放してあげてください...。 |
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今季、日本のWCメンバーはジャンプ週間の最終戦のビショッフスホーフェンをキャンセルして帰国した、札幌の大会に出るために。3日、インスブルックの試合を終えて4日に出国し、5日に到着。6日には公式練習。葛西クンたちはWCにこそ出るべき選手で、COCや国内大会で勝って喜んでいる場合じゃないし、心身をすり減らすべきじゃないのに。去年か一昨年、コヨンコスキがAチームの選手をNOR選手権に出さないということがあった。昨今、ナショナル選手権を夏や春に行う国も増えている。トップ不在でチャンピオンが決まらないように。4日連続で試合があると、毎日、最低で2本、試技を飛べば3本飛ぶことになる。公式練習も入れたら連続5日。しかも、自分の順番に飛べばいいというだけではなく、天候に急かされたり、待たされたりというのも込み。ジャンプ週間は1週間で3kg痩せるというデータがあるが、肉体的精神的負担は相当なものだと思う。先に帰国して疲れが取れた湯本クンが勝ったのも頷ける? 新聞に載ったWCのときの横川コーチのコメント:「休みなしで疲れがたまっている。いま、一番、調子が悪い」「いま絶好調でも早すぎる。選手がいま苦しいのはいいこと」いいことならいいけれど、地元戦をベストな状態で迎えられないなんて悲しすぎないか。世界と圧倒的な差があるのは明らか。でも結果が出なかったのは技術的な問題だけではないだろう。 確かにこんなことさせるべきじゃないんだろう。強かったあのころと何がちがうのか。スキーの長さ? BMI? スーツの形状? 一番ちがうのは日本の経済力かもしれない。 |