◇◆◇2011年 第82回宮様スキー大会国際競技会◇◆◇

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宮様大会は2009年を最後に女子ジャンプのコンチネンタルカップを兼ねなくなって以来、元の宮様大会に戻った。今回来日したのは、フローリアン・アルテンブルガー(AUT)、リク・タハカヴオリ(FIN)、クリスティアン・ウルマー(GER)、ロバート・ヨハンソン(NOR)、アレクサンダー・シニショル(POL)の5人。女子は来札していない。
ノーマルヒル
2011年3月3日(木) 公式練習
m
gate
m
gate
佐藤幸椰(JPN) 75.5 12 87.5
12
坂野幸夫(JPN) 80.5 80.5
岡部孝信(JPN) 80.5 80.5
東輝(JPN) 89.0 92.5
小林潤志郎(JPN) 89.0 92.0
伊藤謙司郎(JPN) 81.0 90.0
山田大禧(JPN) 82.0 89.5
10
渡瀬雄太(JPN) 83.0 87.5
シニショル(POL) 76.5 72.0
高柳太郎(JPN) 94.0 90.5
8
ヨハンソン(NOR) 91.5 93.5
吉岡和也(JPN) 92.0 90.5
ウルマー(GER) 90.5 89.0
タハカヴオリ(FIN) 88.5
アルテンブルガー(AUT) 80.5 85.5
アウトランには今朝ほどまでの雪が降り積もっていた。整備には少し時間がかかる。1時間の遅延。日焼けが気になるほど天気はいいのだが。成り行き上、宮の森の選手控え室にいることになり、待機する選手を見るともなしに見ていた。山田選手は田中選手と結婚指輪の話などしていた...キラキラで、いかにも新婚さんぽい。幸せそうだ、2人とも。

そんな中、本当に呆れるほど丁寧にワックスをがけをしていたのが、ノルウェーのヨハンソン。削って、塗って、ローラーをかけて、床の掃除まで。COCのとき、KAZのコは転倒で靴が壊れ予備がなくて飛べなかったが、ヨハンソンのバッグの中にはもう1足靴が入っていた。そういうコなんだと思う。Mr.几帳面。

フィンランドのタハカヴオリが転倒したのは、公式練習のそれも1本目。着地後、アウトランで雪に足を取られて転倒。例えば風に煽られて、とか、ランディングバーンの高い位置でとかの転倒なら心配もするが、まさか救急車で病院へ行くほどのことになるとは思わなかった。宮の森の医務室の彼を見ると、シャツの上から見ても骨らしきものがポコッと出ている...。アレで、骨折?! と思う。病院で診てもらったところ、右肩靱帯損傷。骨折ではなく、靱帯が骨を支えられなくて骨が浮いているとのこと。そんなに派手な転倒じゃなかったのに...というのはおそらく、直接、肩を地面に打ち付けたのではなく、転倒後、手を付いたときにやったのかもしれない。札幌のあと、蔵王に行く予定だったがキャンセルし、みんなより一足早く、1人で国へ帰った。お大事に。

高梨沙羅さんも2本目に同じような転倒をした。こちらは足首の捻挫ということだ。中学生ながら、バッケンレコードで注目され、コンチ優勝でさらに注目され、そして世界選手権。少し忙しすぎたから、これを機にゆっくり休んだらいいと思う。

2011年3月4日(金) 宮様大会 ノーマルヒル HS100
》女子《
11 伊藤有希 82.5+91.0/207.0
12 葛西賀子 83.5+88.0/205.0
13 渡瀬あゆみ 82.5+80.0/184.5
14 田中温子 82.5+80.5/181.0
15 平山友梨香 75.5+85.0/176.5
16 岩渕香里 78.0+76.0/162.5
17 澤谷夏花 76.0+77.0/157.5
18 茂野美咲 70.0+80.0/156.0
19 小浅星子 76.5+73.5/151.5
10 北村咲希 70.5+76.0/144.0
女子は1本目2位タイから伊藤
選手が優勝。葛西選手、惜しかったです。田中温子さん。これまでは宮様でしか会わず、つまりはカナダチームだったけど、日本に移籍して初めてのシーズン。いい感じなんじゃないでしょうか。温子さんはご両親とも日本人。お父さんは原田コーチ世代の元ジャンパーでカナダで飲食店を経営されている。カナダチームの解散に伴い、日本に移籍。

男子。
今年から「壮年組」というカテゴリーがなくなったが、壮年ジャンパーが無事、着地すると、外国人含め、みんながやんややんやの喝采。オープンな宮様大会ならでは。

さて勝負。2本目、1本目3位だったヨハンソンが飛んだとき、たしかにいい向かい風だった。そして彼、HSを越えてもなお、危なげなく、キレイにテレマークを入れた。あと2人。依然として向かい風は続く。復活の兆しの見える吉岡くん、勝てたらいいなと思ったが...。遠藤くんは明らかに力みが見えた。普通に飛べれば表彰台だったと思うが...。

ウルマーはもう何回、宮様に来ているんだろう。そのわりにピリッとしたところがないんだよなぁ。開会式や晩餐会の段取りを心得ててもしょうがない...。メダルぐらいは持って帰ろうよ...。

今回、少年組は2人。AUTのアルテンブルガーは指定選手じゃないのか、チームのユニフォームじゃなかった。それで着てたのがHALTIで、しょっちゅうFIN選手にまちがえた、全然、FIN顔じゃないのに。で、成績は今イチでした。シニショル(POL)は総合17位、少年組でトップだった。やるじゃん(ほんとに子供っぽく、坊や、と呼んでいたので)。


ロバート・ヨハンソン(NOR)
》男子《 寛仁親王杯
総合
成年
少年
11 ヨハンソン(NOR) 94.5+100.5/259.0
1
12 吉岡和也(JPN) 95.5+194.5/250.5
2
13 小林潤志郎(JPN) 94.0+194.0/244.0
3
14 細山周作(JPN) 91.5+196.5/242.0
15 高柳太郎(JPN) 91.5+196.0/241.5
16 渡瀬雄太(JPN) 92.0+194.0/240.5
17 坂野幸夫(JPN) 96.5+190.0/236.0
18 遠藤秀治(JPN) 97.0+187.0/235.0
19 船木和善(JPN) 92.0+192.5/233.0
10 ウルマー(GER) 89.5+192.5/230.5
17 シニショル(POL) 88.0+184.0/206.5
1
20 佐藤幸椰(JPN) 86.5+181.0/195.5
2
21 高梨寛大(JPN) 84.5+182.5/195.0
3
27 アルテンブルガー(AUT) 84.0+182.0/189.0
4
ラージヒル
2011年3月5日(土) 公式練習
m
gate
m
gate
遠藤友晃(JPN) 103.0
22
120.0
18
山田将平(JPN) 102.0 121.0
佐藤幸椰(JPN) 196.5 194.5
岡部孝信(JPN) 185.5 188.5
東輝(JPN) 123.5 190.5
小林潤志郎(JPN) 199.5
20
104.5
伊藤謙司郎(JPN) 123.5 108.5
高柳太郎(JPN) 137.0 126.0
シニショル(POL) 190.0
18
100.5
船木和善(JPN) 196.5 122.5
ウルマー(GER) 116.5 100.5
吉岡和也(JPN) 128.0 174.0
ヨハンソン(NOR) 135.0 119.0
アルテンブルガー(AUT) 106.0 188.0
タハカヴオリ(FIN)
DNS
これまで何度も言ってきたけど、宮様大会はSAJに登録さえしていれば出られるというオープンな大会なので、出場人数が多く、レベルの差も大きい。最初のころは「これ何ヒル?」 って思うほどの飛距離。2本目への足きりもなく、失礼ながら、真打ち登場まで退屈だし、時間がかかる。しかしあるホビージャンパー曰く、ラージヒルで80m飛べればふつうにすごいのだそうだ。そうだよね。スタート台にも、カンテにも座らされたことがあるが、飛ぶ以前に、スタートについて(高い!!)、90mほどの距離の助走路をクラウチングを組んで滑るのも(動く空気椅子)、そして落ちないように耐えて(いかに遠くに落ちるかを競う競技です)、着地してランディングバーンを滑るのも(あるときパッカーさんが「曲がらず直滑降で下りてきてください」と言われていた。ちょっかるの恐いんだろうな)、すごいことだ。ああ、リスぺクト!! そんなことを毎年、思う、シーズン終了間近である。
あれ、小林選手はNCにエントリーしてないのか...。で、宮の森でよかった選手がやっぱりいいようだ。


2011年3月6日(日) 宮様大会 ラージヒル HS134
》女子《
11 伊藤有希 128.0+97.0/190.5
12 渡瀬あゆみ 118.5+85.5/148.7
13 葛西賀子 113.5+83.5/138.1
14 田中温子 101.0+95.0/134.8
15 小浅星子 192.5+91.5/111.2
16 平山友梨香 196.5+86.0/108.0
17 茂野美咲 195.0+86.0/105.3
18 澤谷夏花 191.5+89.5/103.3
19 岩渕香里 195.5+85.5/102.3
10 竹田歩佳 183.0+93.0/194.8
そういう意味では、女子もラージ、飛ぶようになったよねぇ。いずみさんのラージを見たときは、男の子みたいでものすごくカッコいいと思ったもんだ。世界的には大きい台を飛ばないコもいて、ダニエラみたいにフライングも飛んじゃう子もいるけども。

1本目、ダントツだった有希ちゃんが連勝。男子とは10もゲートがちがうとはいえ、128ってすごいよね。さすがに2本目、ゲートが下がった。WM以降、ここにきて調子がいいのかな。NHと同じ顔ぶれが表彰台を分けた。田中さん、またも4位で惜しくもメダルを逃す。残念。女子組には、少年や成年のカテゴリー別にはメダルしかないように、メダルしかなく、賜杯がない...。
女子はこのあと蔵王でCOC最終戦。総合を決めたダニエラは来ないらしい。優勝のチャンスだ!!

》男子《 秩父宮杯
総合
成年
少年
11 小林潤志郎(JPN) 126.5+110.5/219.1
1
12 吉岡和也(JPN) 125.0+111.0/216.3
2
12 高柳太郎(JPN) 117.5+118.5/216.3
2
12 東輝(JPN) 108.5+127.5/216.3
2
15 ヨハンソン(NOR) 120.0+115.0/213.5
5
16 佐藤幸椰(JPN) 108.0+124.5/209.5
1
17 船木和善(JPN) 123.5+105.5/204.7
18 作山憲斗(JPN) 113.0+115.0/200.9
19 遠藤秀治(JPN) 108.5+120.0/200.8
10 遠藤晃太(JPN) 108.0+116.0/192.2
13 ウルマー(GER) 111.5+111.0/189.0
12
23 竹花健汰(JPN) 105.0+100.0/154.0
2
29 シニショル(POL) 196.0+105.0/129.3
3
41 アルテンブルガー(AUT) 100.5+182.5/104.4
7

条件にそれほど問題はないようだったが、やはりこの時期、シュプールが崩れ、何度か中断が入る。1本目、K点を越えたのはわずかに4人。2本目、ゲートが2つ上がった。
1本目に13位だった東選手が127.5mを飛んで、次に飛んだ幸椰くんも124.5m、遠藤秀治選手も120.0m。2本目、終わってみれば、K点越えはこの3人のみ。その後、風は止んだ。
最終ジャンパー、1本目1位だった潤志郎クンを残して、なんと3人の選手が、それぞれ距離もちがえば得点もちがうのだが合計が同点に。3人同点優勝ということもあり得る...。潤志郎クンが踏み切ったとき、すわ、宮様史上初の3人優勝かと...。役員さんは、賜杯は2つまでは用意してあるのだけど、3つはないから、焦った、と言ってました。それにしても総合ではコンバインド選手、少年組では中学生が優勝という、純ジャンパーにはちょっと厳しい結果になった。

このあと、外国人選手団...「団」というのはあまりに小規模だが、は蔵王へ移動。蔵王では女子コンチの最終戦と、男子はFIS CUPが行われた。小林潤志郎選手は蔵王でも勝っていた。蔵王での大会期間中、けっこう大きい地震があった。今から思えば余震じゃなくて予震だ。ヨーロッパには一部の国を除いて地震はほぼないから、さぞ恐かっただろうと思う。7日(月)に千歳を発ち、9日、10日と試合で、11日、帰国だったはず。11日と言えば、東日本大震災のあった日。おそらく、早朝の出発だったために大丈夫だったのではないかとは思っていたが、みんな無事だったようです。

ヴィケシュン(NOR)、あ、Vikersundですけどね、で、エヴェンセンが世界記録を飛んだとき、え、エヴェンセンて、あのエヴェンセン?と思う。07年、宮様で連勝した。でもその後、名前を聞くことがあまりなかったから。さすが宮様で勝ってる子!! シュリーリとかね...。登竜門...。ほんとに優勝者リストを見ると、すごい選手が来ている。

クリスティアン・ウルマー(GER) 巷で話題のfluege.deの板。

◆宮様:ノルディックコンバインド◆
2011年3月5日(土)  HS100/10km
総合
前半SJ
後半CC
成年組
少年組
11 永井秀昭 107.0点(7) +0:44 25:47.3(2)
1位
12 小山祐 113.0点(4) +0:20 26:36.5(7) +25.2
2位
13 佐々木啓夫 113.5点(2) +0:18 26:39.7(4) +26.4
3位
10 馬淵源 112.5点(5) +0:22 28:22.8(16) +2:13.5
1位
14 山元豪 96.5点(12) +1:26 27:35.2(13) +2:29.9
2位
16 曽根原郷 72.5点(23) +3:02 28:11.4(15) +4:42.1
3位
金曜日、午前中、雪の降りしきる中、コンバインドのジャンプはなんとか2本できた。

Photo by Aki M.
Kiitos paljon !!