WORLD CUP SKI JUMPING 2006 SAPPORO
FIS WORLD CUP SKI JUMPING 2006 SAPPORO

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1月20日(金) 公式練習
1本目(Gate)
2本目
リューケルソイ(NOR) 110.5(17) 118.0
ヴィドヘルツル(AUT) 117.0(17) 117.5
岡部孝信(JPN) 135.0(18) 119.0
ロムレン(NOR) 120.5(18) 194.0
葛西紀明(JPN) 120.0(18) 119.5
イコネン(FIN) 127.0(18) 117.5
マトゥラ(CZE) 121.5(18) 113.0
バーダル(NOR) 119.0(18) 115.0
ユッシライネン(FIN) 103.5(18) 108.5
伊東大貴(JPN) 126.0(18) 126.0
一戸剛(JPN) 197.5(18) 109.0
スリツ(POL) 190.5(18) 108.5
フェットナー(AUT) 114.0(18) 110.0
吉岡和也(JPN) 106.5(18) 111.0
伊藤謙司郎(JPN) 114.5(18) 196.0
ソレム(NOR) 120.5(18) 117.0
J.ハウタマキ 129.5(20) 114.5
ホッケ(GER) 118.5(20) 112.5
山田大起(JPN) 118.5(20) 108.5
坂野幸夫(JPN) 112.5(20) 111.0
宮平秀治(JPN) 118.0(20) 111.0
渡瀬雄太(JPN) 125.5(23) 106.5
栃本翔平(JPN) 129.0(23) 118.5
2本目は全員18番ゲート。

先週のCOCで成績のよかった選手、WCの注目選手、日本選手の練習結果。

STV杯の2本目、岡部選手は5つ下のゲートで128.0mを飛んで勝った。そのゲートは20番ゲート、他の選手が25番ゲート。COCとWCではスピードにしてして2、3km/hはちがう。1km/hで飛距離にして5〜10mちがうと言われる。

今回の公式練習では最初の2人こそ23番ゲートだったが、ゲートはどんどん下がり、岡部選手が135m飛ぶと、最後の2人、リューケルソイとヴィドヘルツルは17番ゲートに下げられた。助走スピードは23番ゲートの栃本選手が90.6km、リューケルソイが18番ゲートで89.7km。COCクラスの選手には厳しい試合になることだろう。


1月20日(金) 予選
11 伊東大貴(JPN) 122.5m/119.5点
12 ステンスルードゥ(NOR) 121.0m/116.3
13 葛西紀明(JPN) 116.5m/108.2
14 シュヴァルツェンベルガー(AUT) 115.5m/103.9
15 オッリ(FIN) 114.5m/102.6
16 岡部孝信(JPN) 113.0m/95.4
17 マトゥラ( CZE) 110.0m/94.5
18 ユッシライネン(FIN) 109.0m/91.7
19 フェットナー(AUT) 109.0m/91.3
10 J.ハウタマキ 108.5m/90.8点
17 リューケルソイ(NOR) 104.5m/82.6
18 上野真吾(JPN) 103.5m/80.3
21 一戸剛(JPN) 102.0m/78.1
23 宮平秀治(JPN) 101.5m/77.2
28 伊藤謙司郎(JPN) 100.5m/74.9
31 渡瀬雄太(JPN) 100.5m/74.4
34 栃本翔平(JPN) 100.0m/74.0
35 吉岡和也(JPN) 98.5m/72.3
37 坂野幸夫(JPN) 99.0m/71.7
38 山田大起(JPN) 98.5m/69.8
39 ロムレン(NOR) 100.0m/69.5
57 ヴィドヘルツル(AUT) 91.0m/51.8
風が出てくるだろうと読んだゲート設定だったが、結局最後まで、向かい風は吹かず、低調な結果に終わった。

左の予選結果はシード選手も含めての順位。FISの結果はシード選手は別枠だが。ゲートは替わっていないので全員での順位にした。日本勢は1Aも含めて、無事、全員が予選通過。国内三連戦を欠場してFINで調整した伊東大貴が予選を1位で通過した。

現在WCランキング15位以内でシードされている4人(ヴィドヘルツル/ロムレン/リューケルソイ/岡部)は、力を抜いているのか、岡部選手を除いて不調だった。やはり、旅の疲れ、時差ボケが抜けないせいか...。

COCで好調だったソレム(NOR)はスーツのレギュレーション違反で失格となった。


1月20日(金) 記者会見
最初に会見場に来たのはリューケルソイ。もう待てないから彼一人で始めるかというときに、お買い物帰りのロムレンが来た。ヴィドヘルツルは「忘れていた(ホントかいな?!)」とかで現れなかった。
ロアー・リューケルソイ:「札幌は大好き。旅もあまり気にならない。いい成績を残してオリンピックに選ばれたい」
ビヨルン−アイナル・ロムレン:スロースタートは作戦か?と聞かれて。「予定では最初からガツンと行くはずだったが、雪上の練習不足でかなわなかった」

外国人選手の会見のあとで日本のオリンピック選手(岡部/伊東/葛西/一戸/原田/伊藤)の会見があった。日本の記者って不思議だ。こんな絶好の機会なのに、もっとほかに聞くことないのかな...。例えばリューケルソイ(29歳)に「岡部選手は35歳であることをどう思うか」って聞いてみたり...。もういいよ! 積極的に質問が出るわけでもなく、でも、人がした質問の答えは記事にしっかり使われている。ああ、不思議だ。こんなお粗末な会見だと、来てもらうのも申し訳なく思う。ヴィドったら、そこんとこ、読んでる?

1月21日(土) ワールドカップ 第13戦 札幌大会 ロムレン、今季初優勝。通算5勝目。
11 ロムレン(NOR) 132.5+128.0m/269.9点
12 リューケルソイ(NOR) 129.5+126.5m/262.3
13 岡部孝信(JPN) 133.0+121.5m/256.6
14 伊東大貴(JPN) 134.5+117.5m/252.6
15 ユッシライネン(FIN) 116.0+121.0m/221.6
16 バーダル(NOR) 118.5+117.0m/219.9
17 ヴィドヘルツル(AUT) 126.0+109.0m/218.5
18 ステンスルードゥ(NOR) 123.5+111.5m/216.5
19 イコネン(FIN) 121.0+110.5m/212.2
10 ランダート(SUI) 131.5+102.5m/210.2点
11 坂野幸夫(JPN) 129.0+101.5m/209.9
14 一戸剛(JPN) 123.5+105.5m/206.7
15 吉岡和也(JPN) 124.5+104.0m/204.8
16 宮平秀治(JPN) 124.5+102.5m/204.1
24 葛西紀明(JPN) 114.0+107.5m/192.7
25 上野真吾(JPN) 122.0+198.5m/185.9
30 渡瀬雄太(JPN) 116.0+100.0m/180.3
--------------------
31 山田大起(JPN) 115.5+191.5m/162.1
32 栃本翔平(JPN) 112.5m/98.5
37 伊藤謙司郎(JPN) 108.0m/89.9
1本目が終わって伊東大貴1位、岡部2位で折り返す。優勝候補のリューケルソイ4位、ロムレン3位、ヴィドヘルツル7位。4位リューケルソイと1位伊東の差は9点、距離にして5m。逃げ切れるか?!

2本目、雪が降っているが、風は安定してきているように見えた。リューケルソイが2本目初のK点越えでトップに立ち、ロモレンはさらにそれを上回る。いやが上にも期待は高まる...。緊張したのか、技術の差というより、勝ち慣れてなさが出たのでしょう。「勝てたのに」と思う。勝てなくてなおさわやかな大貴クンと、悔しさ爆発の岡部クン。「明日こそ」と思う。

札幌ではここ7戦でノルウェー人が6勝している。
ロムレン:「1本目はすごい向かい風でビックリしたけど、踏み切りをきちんとすることだけを考えた。これが今季唯一の優勝にならないようにしたい」

リューケルソイ:「練習ではあまりいい感じではなかった。テクニックをフライングからラージ用に変えなければいけなかったので。苦しんだあと、ここでどう飛べばいいかわかった。2位には満足」
WCのスケジュールはタイトだ。以前は公式練習が2日間あったこともあったのに。リューケルソイ、たった3本で大倉をつかんだ?! 得意な台とは言え、すごい!!
岡部:「これまでもよくトレーニングしてきたが、斉藤コーチになってからよくできている。彼はずいぶん長くボクのことを知っていて、よくなるためにどうすればいいかよくわかっている。今日のジャンプには、まったく満足というわけではない。もっとよくできたと思うから。とくに2本目はあまりよくなかった」NHKに対する冷たいインタビューの受け答えがステキだった...

1月22日(日) ワールドカップ 第14戦 札幌大会 リューケルソイ、今季初、通算11勝目。
11 リューケルソイ(NOR) 140.0+125.5m/281.4点
12 伊東大貴(JPN) 137.5+128.0m/280.9
13 岡部孝信(JPN) 117.5+137.5m/258.0
14 葛西紀明(JPN) 124.5+123.5m/247.9
15 ロムレン(NOR) 122.5+126.5m/247.2
16 バーダル(NOR) 118.5+124.5m/234.9
17 イコネン(FIN)) 117.0+125.0m/232.6
18 ユッシライネン(FIN) 119.5+122.5m/231.6
19 マトゥラ( CZE) 115.0+125.0m/229.5点
10 オッリ(FIN) 120.0+120.0m/228.0点
13 上野真吾(JPN) 110.5+118.5m/204.2
14 坂野幸夫(JPN) 114.0+108.5m/195.0
18 吉岡和也(JPN) 110.5+106.5m/182.8
24 山田大起(JPN) 199.0+112.5m/167.5
27 一戸剛(JPN) 107.5+101.5m/164.7
32 ヴィドヘルツル(AUT) 130.0m/135.0
--------------------
35 伊藤謙司郎(JPN) 96.5m/67.7
45 栃本翔平(JPN) 91.5m/53.2
予選落ち
53 渡瀬雄太(JPN) 101.0m/75.8
60 宮平秀治(JPN) 92.0m/57.6
札幌がこんなに晴れたのは久しぶりではないだろうか? それとも悪天候の方が記憶に残りやすいから? 天気がいいと昼ごろには向かい風が出てくる。

リューケルソイが1本目140mを飛んでトップに立ったとき、これはもう勝ったな、と思った。終わってみれば2位になった伊東大貴とはわずか0.5点差だったわけだけど。

リューケルソイは2003年札幌でWC初優勝を果たすと、2004年札幌は2連勝、2005年は1勝、そして今年で5勝目。通算11勝のうち半分近くを札幌で勝っている。
リューケルソイ:「この台が本当に好き。ボクのテクニックにとにかくぴったり合っている。確かに今日はとてもいいジャンプができたけど、2本目の踏み切りは完璧ではなくて、そこはもっとよくできた。ザコパネに行き、そこでよければヴィリンゲンでもスタートする。フライングの2勝と札幌での優勝と2位はオリンピックに自信をくれる」

伊東大貴:「今はトップ15がみんなスタートしてもいい成績を出すだけの自信が持てたと思う。五輪に向けてまだまだ改善できる。クオピオに行き、ヴィリンゲンではスタートする」天候がよくなかったとはいえ札幌では2日とも2本目に進めなかった去年に比べて、いい顔になってきている。岡部選手もそうだけど、成績が出るとこんなにも顔って変わるものなんですね。


各国こぼれ話
主力が出場せず、チャンスを与えられたのに、それを生かせたのは、FINのイコネンとNORのバーダルぐらいだった。

ドイツ:6人のうち5人がコンチからの居残り組。ホッケもコンチに来る予定だったが飛行機に乗れず、クルムのフライングに出てから札幌に来た。そのホッケと世紀の逸材と言われるメヒラーには札幌が五輪行きの最後のチャンスだった。1日目は全員が決勝に進めず、2日目はホッケが29位、メヒラーは44位で、2人の五輪行きはなくなった。ドイツのオリンピックメンバーはウアマン、シュペート、ヘル、ノイマイヤー、そしてシュミットが予定されている。

ノルウェーも五輪メンバーの最終決定はまだ。札幌のCOCでもWCでもよかったバーダルにはまだチャンスがあり、フォーファングは札幌の結果で五輪のチャンスを逃したばかりか、WCのチームからも離脱するようだ。最終決定はザコパネで下される。

オーストリア:ヴィドヘルツルは今季初優勝狙い、ポイントを取りに来たのだろうが、調子が出ないままで終わった。2日目は1本目130mを飛んで3位で折り返し、2本目は117mと振るわなかったものの6位につけたのに、スーツが大きすぎて失格! 結果としては1本目の記録だけが採用され135.0点で32位(2本目には31人残ったので)となった。
トゥルンビヒラー、フェットナー、シュナイダーはCOCからの居残り組。コンチのレポートでも触れたが、帰国した選手の方が上り調子だった。事実、ノイシュタットのCOCでは彼らが表彰台を独占している。02/03に出てきた若手の中で今季もいいのはモーゲンシュテルンとコフラー。一勝を挙げたハーフェレはその後、停滞し、最近、調子を戻し、14、5歳で頭角を現したフェットナーは20歳になった今年、やっとよくなり、シュナイダー、トゥルンビヒラーはなかなかWCで結果を残せない。何度も戻ってきてくれるのはいいんだけど、強くなって戻ってきてよ...。

それはドイツのカイくんなんかにも言えるんだけど。マリオ、エリック、ユリアン...みんなかわいいのに、あまりに成績が悪くて、全然、笑顔が見られないのはすごく残念。これまで長いこといろんなスポーツを見てきたけど、どんな競技でも女性ファンは、いわゆる"イケメン"選手を応援したいものだけど、まずはレギュラーになってくれないことには、試合で見られないし、スポーツ選手たるもの、ユニフォームのときが一番カッコよくないといけない(別にユニフェチではない)。

さてこの日本の好結果で誰もが五輪のメダルを口にするようになったが、冷静な人は札幌にはトップは来ていないから、測れないと言い続けている。どうだろう? トップがそろって来札した2004年は2戦ともリューケルソイが勝っている。ゲートとスピードを今年と比べてみる。今年のリューケルソイはまちがいなく一流でしかも大倉が得意だが、アホネンやヤンダが来ていたらもっとゲートが下がっていたかもしれないし、トップにこの2人がくるとなると日本勢は表彰台に乗れていない...。このいい感じのまま五輪に入るには、もうザコパネもヴィリンゲンも飛ばない方がいいかもしれない、と思う。

(15)はゲート。数字は前半がスピード(km/h)で後半が距離(m)
2004
2006
1/24
1/25
1/21
1/22
ラウンド(ゲート)
1(15)
2(15)
1(15)
2(16)
1(18)
2(18)
1(18)
2(17)
リューケルソイ
89.1/132.0
89.4/133.5
89.0/122.5
89.5/133.5
89.7/132.5
89.4/128.0
90.2/140.0
89.6/125.5
アホネン
88.8/135.5
89.2/129.0
88.8/124.5
89.0/128.5
-
-
-
-
葛西紀明
88.8/127.0
88.3/120.0
88.7/125.5
89.3/127.5
89.2/114.0
88.8/107.5
89.3/124.5
88.6/123.5
ロムレン
88.7/120.0
88.4/122.0
88.6/112.0
-
90.0/129.5
89.7/126.5
89.5/122.5
89.1/126.5
伊東大貴
88.4/127.0
88.5/106.5
88.0/122.0
88.4/111.5
89.4/134.5
89.4/117.5
89.6/137.5
89.3/128.0
岡部孝信
-
-
-
-
88.9/133.0
88.6/121.5
88.8/117.5
88.5/137.5

ワールドカップスタンディング
1/21(土) 第13戦 札幌大会
1/22(日) 第14戦 札幌大会
1/21(土) 国別 1/22(日) 国別
11 ヤンダ(CZE) 872点 11 ヤンダ(CZE) 872点 11 NOR 1535点 11 NOR 1767点
12 アホネン(FIN) 755点 12 アホネン(FIN) 755点 12 FIN 1352点 12 FIN 1452点
13 キュッテル(SUI) 577点 13 リューケルソイ(NOR) 590点 13 AUT 1319点 13 AUT 1346点
14 リューケルソイ(NOR) 490点 14 キュッテル(SUI) 577点 14 CZE 1947点 14 CZE 1984点
15 ウアマン(GER) 461点 15 ウアマン(GER) 461点 15 GER 1905点 15 GER 1916点
16 ヴィドヘルツル(AUT) 381点 16 ヴィドヘルツル(AUT) 381点 16 SUI 1845点 16 SUI 1859点
17 ビストール(NOR) 358点 17 岡部孝信(JPN) 373点 17 JPN 1607点 16 JPN 1859点
18 ロムレン(NOR) 316点 18 ロムレン(NOR) 361点 18 SLO 1582点 18 SLO 1582点
18 モーゲンシュテルン(AUT) 316点 19 ビストール(NOR) 358点 19 POL 1306点 19 POL 1325点
10 岡部孝信(JPN) 313点 10 モーゲンシュテルン(AUT) 316点 10 RUS 1118点 10 RUS 1118点
20 葛西紀明(JPN) 124点 17 葛西紀明(JPN) 174点 11 ITA 1179点 11 ITA 1179点
29 伊東大貴(JPN) 181点 19 伊東大貴(JPN) 161点 12 FRA 1114点 12 KAZ 1125点
42 一戸剛(JPN) 127点 41 坂野幸夫(JPN) 142点 13 KAZ 1119点 13 FRA 1114点
44 坂野幸夫(JPN) 124点 44 一戸剛(JPN) 131点 14 EST 1116点 14 KOR 1110点
48 吉岡和也(JPN) 116点 46 吉岡和也(JPN) 129点 15 USA 1115点 15 EST 1116点
49 宮平秀治(JPN) 115点 47 上野真吾(JPN) 126点 16 SVK 1112点 16 USA 1115点
61 上野真吾(JPN) 116点 55 宮平秀治(JPN) 115点 17 SVK 1112点
69 渡瀬雄太(JPN) 111点 66 山田大起(JPN) 117点
76 渡瀬雄太(JPN) 111点