北欧の言葉
フィンランド語・ノルウェー語スウェーデン語

スカンジナヴィア3国とはデンマーク、ノルウェー、スウェーデン。
これにフィンランドとアイスランドを加えて北欧5ヵ国。
ノルディックスポーツの発祥の地であり、注目選手も多数いる北欧。
ぜひ押さえておきたい名前がいっぱい!!



フィンランド語編
フィンランド語は北欧語(ノルド語)ではなくウラル系、フィン・ウゴル語族に属している。同じ北欧のNOR語やSWE語には似てもにつかず(とは言っても私にはスウェーデン語の音とは似て聞こえる)、独自の道を行くフィン語、難しいっす...。
綴りと発音がほぼ完全に一意する言葉であり、書いてあるように発音し、発音されるように書く。フィンランド語の辞書には発音記号が書かれていない。必要ないからだ。長母音は母音を重ね、促音は子音を重ねる。まるでローマ字入力で、それは独語以上。eiはアイではなくエイだし...。26文字のアルファベット以外にä(eの口でaを発音)ö(oの口でeを発音)があり、国際表記では独語と同じくae、oeと書かれる。

一部の方言を除いて、語頭に子音が続くことがないのは日本語と似ている。よく例に出されるのがFrance。日本語ではFの次にuという母音を補ってフランスとしたが、フィンランドはRanskaとFを取ってしまった。ある選手(コーチだったかも)に「どこのチームですか?」と尋ねた人がいた。彼は答えた。「France」--その尋ねた人は何回聞いても聞き取れない。外国人はなかなか「ふらんすfuransu」と日本語式には発音してはくれません...。
Jussi&Matti Hautamäki

Jaakko Tallus

Veli-Matti Lindstöm



Janne Väätäinen


Matti Nykänen


Janne Ylijärvi


Kimmo Yliriesto

Lahti


Janne Lahtela(モーグル)

Kimi Räikkönen(F1)
=Hautamaeki ユッシ&マッティ・ハウタマキ

ヤーッコ・タッルス タウルス、タルルスはまちがいです。

ヴェリマッティ・リンドストローム  Lindstömという名前はSWE系。リンドシュトロームは独語読みでした...。veliは兄弟という意味。veluのお兄さんがMattiという名前かどうかは不明...。

ヤンネ・ヴァータイネン Vaeaetaeinen 現FINジャンプBチームコーチ。

マッティ・ニュカネン 慣例ではニッカネンですが、母音yは「口を丸めたuの構えでiを発音する」のでNyはニュとなる。

ヤンネ・ユリヤルヴィ
FIN語のyは独語のüと同じ、らしい。

キンモ・ユリリエスト

ラハティ ときどきラハチと書いてあるのを見かけますが、フィン語には「チ」の音はないそうです。

ヤンネ・ラハテラ アルペンは英語の世界でラテラと呼ばれてます。

キミ・ライッコネン 本来ならRaeikkoenenのはずだが、F1のTV放送のグラフィックではaもoもウムラウトが外されてしまったまま。HäkkinenもHakkinenでした。
■独語でウムラウトには慣れていたものの(フィン語でもumlautという。äはa-pilkut、öはo-pilkutというのだそうだ)、フィンランド語を読んだとき、なんて点々の多い文字なんでしょう、と思った。それはフィンランド語には母音調和というルールがあるからだとわかった。
フィンランド語の8つの母音は、1)前舌母音ä、ö、y 2)中舌母音i、e 3)後舌母音a、o、uに分けられ、1)と3)は混在しないという決まりがある。1つの単語(音節)の中の母音の組み合わせに制限があるのだ。かくして、Väätäinenのように、1つにウムラウトがつくとみんなについて、点々だらけになるのであった。
■äをァとするか、エとするか。Hautamäkiは一般的にはハウタマキのようだけど、ハウタメキも結構、原音に近いのだそうだ。レイッコネン? ヘッキネン?
■RäikkönenのフルネームはKimi Matias Räikkönenというのだそうだ。Matiasというのはアイリッシュ名で、英語名Matthew、Mathias、独語名Matthias、仏語名Mathieu、そしてフィンランド語名はMatti。Kimi Matti Räikkönenではないのね。
■フィンランドで 一番多いのが〜nenという名字。〜son、〜sen、〜vic、Mc〜と同様、〜の息子という意味で、本来は父称名+nenだった。次に多い名前が〜mäki(=hill丘)。Hautamäkiのほか、Vastamäkiというスノボーの選手がいる。ほかにどんなmäkiがいるのでしょう?ちなみにHautaというのは墓所という意味。
Ylijärviのjärviは湖という意味。Yliはover。over the lakeですね。Ahonenは草原の人、という意味らしい。
■フィンランド人は洗礼名に独自の形を使っている。Michaelがマイケル、ミヒャエル、ミシェルという英・独・仏名などの変化はだいたい想像できるが、フィン語はMikko...。MattiがMathiasであることはすでに述べたが、Andrew(Andreas)がAntti、Henryが Heikki 、JacobがJaako、JohnがJussi、Janiというふうに。
■アホネンの愛息の名は、TVを通じて「Moi Mico」と挨拶していたように、Mico。FIN語ではcはめったに用いられないので、本当はMikoなのだとかMikkoだとかドイツの女の子たちは騒いでいましたが、Mico Petteri Ahonen-ミドルネーム(というのかな?)はパパと同じなんですね。
■ja、ju、joがヤ、ユ、ヨなので、ときどきジャンネ・アホネンと入力してしまうことがあります。





ノルウェー語編
そもそも外国人名表記と発音を一度まとめてみようと思ったきっかけは、ノルウェーの名前でもある。øってどう発音するの...? Ljøkelsøyってヨケルソイでいいのか...?

ノルウェー語にはウムラウトではなくてøとåとæがある。
スタートリスト等では独語と同じくø=oe、æ=ae、å=aaと書かれ、発音はøが[oe]、æが[æ]、åが[o]である。
最終的にはノルウェー語のできる方に見ていただき、原語発音に最も近いものを記した。適当に読んでいたのはまちがいだったとわかったのだが、TVでこう言うとなると確かに大変かも...。

ドイツ語のクラスメートにノルウェー人の女の子がいて、彼女は文法はとても苦手だったけど、とにかくヒアリングが完璧。「い〜な〜」と言ったら、「ドイツ語とノルウェー語はすごく似てるから全然大変じゃない」と言ってたけど、ホントにそっくり。今回ノルウェー語の学習書を見てよくわかった。でもNOR語の方が難しい...。

2007年9月14日追記:
選手のデータバンクを作っていて、再度ノルウェー名のカタカナ書について考えた。幸いなことにファーストネームについては発音が聞けるHPを発見。名字は依然として想像、というか、当てはめの世界。ドイツ語ネイティブのために説明されたNOR語の発音を記しておく。

長母音
a=ah
e=eh
i=ih
o=uh
u=üh
y=üh
å=oh
ø=öh
æ=äh
短母音はほぼ長母音に準ずる

Tagのa、ア
Rehのe、エ
Ziel のi、イ
Uhrのu、ウ
Türのü、ユ 暗め
Türのü、ユ 明るめ
Ohrのo オ
Gehörのö エとオの間
ähとahのミックス

Jacobsenはコブセン
Jacobsenはコブ
Hildeはルデ
Jonはユン、Romørenはメレン
Magnusはマグ

Aaraasはオーロース
Romørenはルレン
Romørenに関してはネーティブが彼のことを呼んでいるビデオを見た。近いのは「ルメレン」だがカタカナ書きすると違和感もある。第一音節roにアクセントがあるのでルンメレンとも聞こえる。
-nd
Trondheim




Vikersund

Anders

トロンハイム
1)-ld、-ndの綴りではdを発音しない。2)-ei、eg(l
)、-eg(n)の発音は[æi]である。ゆえにトロンドヘイム、トロンドハイム、トロンヘイムなどすべて×。

ヴィケルスン

アネシュ、アンネシュ、アンデシュ
rs
Lars
シュと発音する地域が多い
ラーシュ
ø
Bjørn Einar Romøren


Roar Ljøkelsøy


Olav Magne Dønnem

=Bjoern Einar Romoeren ビョルン・アイナル・ロムーレン
øはウとエの中間ぐらい。ロメレンもロモレンもちがうようです。

=Roar Ljoekelsoey ローアル・リューケルソイ
×ヨケルソイ、×リョケルソイ

=Olav Magne Doennem オラーフ・マグネ・ドンネム
Tommy Ingebrigtsen トミー・インゲブリットセン -igのgは無音化する。
Stensrud



Sigurd Pettersen
ステンスルードゥ
dは発音しないの?と伺ったところ、「d音は弱子音。ほとんど聞こえないくらいでしょう」とのことでした。

シグールドゥ・ペッテルセン
æ
Bjørn Dæhli

=Bjoern Daehli(クロスカントリー) ビョルン・ダーリ
kj
Lasse Kjus


Kjetil Andre Åmodt

ラッセ・ヒュース(アルペン) 
中継ではチュースと言っていますが...?「kj音はヒュ。ただしシュ音に発音する人が増加中。チュ音は方言」だそうです。
=Kjetil Andre Aamodt(アルペン) ヒェティル・アンドレ・オーモット 
Ole Gunnar Solkjær =Ole Gunnar Solkjaer(サッカー) オーレ・グンナル・ソールシャール
ノルウェー語では、地方、そして人によってはsを∫と発音する場合もあるという。Osloをオシュロと発音する人もいる。でもオスロ大学で奨励しているのはsだし、∫の発音はsより少しくだけた感じなんだそうだ。





スウェーデン語編
26のアルファベットのほかにåとäとöとがある。
初めてV字ジャンプをやったのはスウェーデンのJan Boklöv選手だということですが、最近あまりジャンプでは目立ちませんね。「ジャンプには予算がつかないからね」とスノボーの選手が言っていました。ヨーフス選手はFINのSWE語地区の出身でSWEに帰化したという話。確かオランダと一緒に練習しているんでしたっけ。その前はスイスチームに混ざるという話もあったけど言葉がネックでダメだったみたいです(Skispringen.com情報)。
Kristoffer Jåfs

Johan Munters
Jaafsは Jåfsで、つまりクリストファー・ヨーフス

ヨハン・ムンテシュ rsは[∫]シュと発音する。
Stefan Edberg

Ingrid Bergman

ステファン・エドベリ(エドバーグ)

イングリッド・ベリマン(バーグマン)

現地読みにするか英語読みにするかで、必ず挙げられる例として、テニスのStefan Edberg選手がいます(古いですけど)。
スウェーデン語ではgは、e、iなどの母音の前と音節末では、ヤ行の子音[j]となる。本来ならEdbergはエドベリ、Bergmanはベリマン。
しかしEdberg本人が「ボクはエドバーグの方がいい」と発言して以来、エドバーグとしているところが多い。Bergmanは女優さんなのでハリウッド読みと言うことで...。
■エリクソンの社長が来日したという話が新聞に載っていた。名前はカール-ヘンリック・スバンベリ。すぐにSvanbergとスペルが思い浮かんだ。勉強の成果あり、でしょうか?あってる?
■標準スウェーデン語ではsをシュとは読まない。辞書ではStockholmは[stókholm]で∫ではない。スウェーデンには大別して6つの方言があるが、sをシュとは読のがストックホルム訛りなのか、について答えは出なかった。