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□■□02/03シーズン雑感--つれづれなるままに--□■□ 夏、絶好調だったヴィドヘルツルか(それが当てにならないことはよくわかっているけれど)、さらに体を絞って臨んだアホネンか、怪我で出遅れたものの伝説のジャンパー、ハナヴァルトか...。2連覇したマリシュはもうダメだろうとも言われていた。 優勝者が14人も出た劇的なシーズンは、終わってみればまたマリシュの優勝だった。今年はそれほど強くない、そんなイメージがあるけれど、混戦の中で彼は実は常に上位入賞していた(それってアホネンの得意技じゃなかったっけ?)。 |
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□■どうなるドイツ?! 世界一、成功しているコーチ、コヨンコスキはシーズン中にNORと契約を延長した。「あれだけ魔法のように再生できるなら、ウチにも来て」という他国からのオファーもあるらしい...。 ケリがついたかのように見えたヘスコーチの去就問題が再燃している。メダルなしに終わったWMは関係者には相当ショックだったようだ。 大大会に合わせるのが得意と言われているドイツだが、今回はシュミット、ハナヴァルトの不調という今季の状況がそのまま出た。 |
2人のスターなしではトップ成績が出せないチーム作りが問題視された(今に始まったことじゃないと思うけど)。前半、ウアマンはがんばった。シュペートだっていい仕事をしてた。でも選手層の厚さと底辺のレベルはAUTやFINとは比較にならない。 チームとして考えたとき、AUT、FINに加え今季はNORが上がってきた。だからドイツはたとえ駒が揃ったとしても、今までのようにメダル圏内、上位3位のどこかには入れるだろう、ではなくなってきた。 |
02/03シーズンを前にオーストリア、フィンランド、ノルウェー、日本とコーチが替わった。 そしてそれぞれがそれなりの結果を出した。NORの復活は見事だったし、FINは参謀コヨンコスキなくしても強かった。AUTはWMではメダルは取れなかったものの、10年ぶりに国別で優勝。八木ジャパンだってメダルを取った。 コーチ交代が話題に上がらなかったドイツは、強豪チームの中で唯一のマイナス査定と言えるのかもしれない。 |
□■ラインハート・ヘス:コーチ歴36年。1993年、ナショナルコーチ就任の10年選手。周囲はヘスコーチに惨敗の責任を問う。確かにハナヴァルト以外、実りの多いシーズンだったとは言えない。でも、だからこそ、なんでだろ? をへスさんが追求していくのだろうと思った。契約はトリノ五輪の06年まで残っている。連盟も解任する意志はない=続投なのだと思った。 | ||
□■シュミットは言う:再生するには「"何か"を変える必要はあるだろう」と。 それがコーチだとは彼は言わない。新しいトレーニングアイディアなり、コンセプトが必要なら、それを注入するのは新しい力の方がmuch betterなのかも。これまでの成功をチャラにして、ゼロから出直すにはね..。 |
「今年はチームが前みたいにまとまってなかった」とシュミット。確かにチームの雰囲気は変わった。個人競技であるジャンプにチームワークはそれほど重要ではないだろう。団体戦でさえ「ボクが代わりに飛んであげられるわけじゃない」とハニーは言う。その割に彼は一番みんなに「大丈夫」と言って欲しい人なのだけど。 | やっぱりディーターが抜けて以来なのかな...。ドイツのコンバインドチームは、ホテルの廊下にみんなで体育座りをしてビールを飲みながらおしゃべりしてたりする。そんなことはジャンプチームには皆無。マルティンも仲良しグループを望んでいるわけではない。でも、言いたいこと、わかる...。 |
□■ヘスさんも昔は長々と取材に答えてくれたものだ。それが最近は「会見で聞いて」の一点張り。勝負に絡むようになり(ディーターも優勝ジャンパーだったけど)、騒がれすぎて、外に対していろんなもので武装するようになり、余裕というか、アソビというか、すべてに対してゆとりがなくなったように感じる。かといって、強くなって、士気が高まったというわけでもなく、このごろは何となくマンネリ、というか、なぁなぁな部分があるようにも思えるのだ。 | FINのトミ・ニクネンは28歳。かのミカ・コヨンコスキだって確か40前だ。若いコーチは頼りない?それとも話しやすい? AUTのレピストコーチはベテランだが、選手とのつなぎ役として脇を固めるのはホルンガッハー、クッティン、ポイントナーといった、ついこの間まで飛んでいた若手コーチ陣。 ヘスさんのことは好き。近づきがたい人でもない。ヘスさんに率いられてないドイツなんて・・・。でも潮時なのかなぁ...。 |
ヘスコーチの後任として、シュミット、ハナヴァルトの個人コーチでもあり、現ナショナルチーム副コーチでもあるヴォルフガング・シュタイアートの名が上がっている、というか、自身が名乗りを上げている。 確かに彼は2人も優勝ジャンパーを育てた有能なコーチかもしれない。でも、なぁなぁ、という点においては、拍車がかかるような気もする...。贔屓はしないでしょうねぇ? 結論は4月の末には出る。 |
□■マルティン・シュミット 自慢のもち肌に吹き出物...。きっと胃腸に来てるんだろうなぁと思った。残念ながら今年はこの目で彼を見ることはできなかったけど。自分でも笑っちゃうくらいダメダメジャンプに目が泳いでいることも。もともと大人しい彼、かわいそうなくらい...。 でも、このオフに怪我などなければ、来季はまた優勝に絡めるのではないかと思う。 去年は開幕まであと2カ月あまりという9月に手術。手術をしたのも遅かったが、予想以上に治癒が遅かった。結果的にはトレーニングの遅れを取り戻すことができないシーズンとなった。手術をしなければよかった?! 膝の痛みは取れたので、とりあえず手術の意味はあったと...。 このシーズンに限らず、勝てなくなって以来、マテリアルをいじりすぎた。いろいろ試しすぎた。いじらなければならなのはジャンプそのものだったのに。やっとそこにたどり着いた。 1つ1つのジャンプはよくなってきている。あとは精神的、そして筋力的な問題。このオフはどこへも休暇に行かないというから、きっと自分をいじめ抜くのでしょう。来季は少しシェイプされて大人っぽくなったマルティン・シュミットが見られるかも、と思います。 彼はきっと変わると思う。この苦い1年を無駄にはしないでしょう。シュミットに3000点って感じです。 |
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□■スヴェン・ハナヴァルト WMはもっと自分に期待していたから本当にがっかりだったという。WMに入るまではむしろ好調だったので、なおさら。踏み切りの強い選手(FIN/AUT/JPN)に有利なジャンプ台は彼に向いていなかったというのがWMで不振だった理由のようですが、彼のフライトの良さがあまり生かせないと言われた高地のソルトレイクでもメダルは取れたのに...。 WC総合も残念でした。フライングWCでは優勝したけど、フライングの世界記録は出せなかったし...フライング好きの彼としては悔しいだろう... ブロンドはその青い目にはよく合うけど、もとの方がいいなぁ。もうちょっと感情をコントロールできるようになるといいなと思うし、なんでもジョークで片づけようとするのもね...。あなたはもっと強い人だったはずなのにと思う...。 でも、とにかく2年連続総合2位って、2年連続総合優勝と同じぐらいスゴイことだと思う。14人も優勝者が出る中、6勝は立派です。 |
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□■マッティ・ハウタマキ 昨シーズン、すでにヤンネに代わるFINのエースとして頭角を現していたマッティ。誰でも1シーズン中に波がある。今季のマッティの場合、兵役で出遅れた(本人否定)。GERやAUTのように、スポーツで、つまり賞金を稼げなくても食べてはいけるスポーツ兵という制度もないようだし...。モチベーションの問題もあったらしい。ジャンパーという職業を選ぶこと、プロのジャンパーになると決心することは、端から見るよりもずっと大変なようです。それを、フィンランドにはキミが必要だと説得されたらしい...。で、どんどん調子が上がって、絶好調のときにフライングが巡ってきた、一昨年のハニーのように。シーズン最高の調子なら記録も狙えるでしょう。美しいフライトでした。 |
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□■ジャンパーという職業:プロになってから競技だけに集中できるようになり、成績が上がったという選手は多い。ハナヴァルト然り(軍を辞めた)、ウアマン然り(国境警備兵の研修期間を終え、資格が取れ、ジャンプに専念)。 フィンランドは学生を除けばほとんどがプロ。基本的に賞金やスポンサー収入で暮らしている。 プロスポーツ選手って、引退しない限り、本当に心休まることはないのでしょう。引退したイタリアのチェコンも言っていた、ジャンプが好きすぎて、休むことができないのだと。 ツール・ド・フランス等で解説をしている自転車の栗村修さんの弁。アスリートというのは、おいしいものも食べられないし、楽しいこともできないし、世俗的な欲求を満たすことはできない。それを我慢できなくなったとき、欲望がモチベーションを上回ったときがアスリートを辞めるべきときなのだと。 ジャンプは自転車ほどストイックな競技ではないけれど、確かに、体力でもなく、技術でもなく、モチベーションを保てなくなったことを引退の理由に挙げる選手は多い。 自分はプロとしてやっていけるのか!? それにどれだけの価値があるのか!? と考え出したらキリがなさそうです。 |
□■ヤンネ・アホネン ジャンプで食べていくということ--Kawasakiのバイクとか、 BMWのM5とか、バーカウンターのある家とか、自分で稼いだお金を欲しい物に変えるという行為は、いい消化の仕方のような気がして...。 ヤンネにとって息子は新しいモチベーションのよう。新しい100坪の家も。 なんだかもう総合では勝てないんじゃないかという気がして仕方がない。お願いだからそんな疑念を払拭してください。これでもか、というくらいに強いあなたが見たいです。あなたの中に真のアスリートを感じるから。 |
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□■ニエミネンは16歳で金メダリストになり、学校よりもジャンプを選んだ。練習が終わって宿題をする体力が残っていなかったから。 マッティは一流のジャンパーになるためにオウルからクオピオに出てきた。何が彼を悩ませていたのか? やはり、何かがふっ切れたのでしょうかね? |
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□■COC 総合優勝:シュテファン・トゥルンビヒラー。おめでとう!! 冷静に考えると、ほかのもっと強い選手たちがCOCを勝ってはWCへ出ていったので、総合優勝できたのかなという気はする。でも残った中では一番だったのだけどね。 AUTにはリーグル、モーゲンシュテルン、ナギラー、コフラーと同世代のライバルも多い。来季、Aチーム入りするのも楽ではないでしょう。でも気持ちでは誰にも負けないはず。がんばれ!! |
□■引退 ロベルト・チェコン(ITA)、アラン・アルボーン(USA)、シルヴァン・フライホルツ(SUI)。お疲れさまでした。そして、斉藤選手も。 チェコンと斉藤さんは後進の指導に当たるそうですね。チェコンはトリノに向けて団体戦の4人目の選手を発掘中とか。コーチという職になるのかどうかはわからないようだが。アルボーンがパイロットになるというのはあまりに有名な話。 |
□■ビヨルン-アイナー・ロモレン 「どうしてそんなにリラックスしてるの? いつも楽しそうだね」と言われて言った:「だってスキージャンプっていう一番好きなコトしてるんだもん」 プラニッツァの最終戦でワイシャツにネクタイという出で立ちで飛んでいました。まぁオーラスなのでパーティ気分で、シャレだそうですが。プライベートではビジネススクールに通っているらしい。 |