FIS WORLD CUP 2004
edule・Athlete
Schedule (15.Jan UP) Athlete(16.Jan UP)SResults Ski Jumping・Results Nordic Combined
WC Standing
Reports2
he
ノルディックコンバインドを中心に
1月20日 火曜日 この日、成田に総勢200名以上の世界のノルディックスキー関係者が到着した。純ジャンパーは白馬行き、ノルディック複合は札幌行きに別れ、それぞれ日本シリーズに臨む。まちがえちゃダメだよ...まちがえた人はいませんでしたが...

新千歳空港。飛行機は定刻から40分遅れの到着。COCが終わって札幌にはドカ雪が降ったが、ヨーロッパでも大雪が降り、予定の便に乗れなかった選手もいる様子。最初から少々波乱含みだった。

00/01の総合チャンピオン、ゴットヴァルト(AUT)。最近ジャンプの調子が今イチですが現在総合5位。
スキーや荷物をトラックに積んで名寄に向けて出発したのが夜の10時前。バスに乗ると、車中で食べるはずの夕食用のお弁当を出発前に食べ尽くしている。「殻を入れる段ボールある?」というフェリックス・ゴットヴァルト(AUT)。
「えっ?!もう食べたの?」「食べた〜!!」のちの砂川の休憩所でゴミを捨ててくれたのもフェリックス。相変わらずの優等生っぷり。

道が凍結していて高速は50km/h規制されている。
11:48、砂川で休憩。
名寄のホテルに着いたのは午前2時を回っていた。やれやれ。でも選手たちは目が冴えてくる時間だったりする。その後も次々に雑用が...。「窓を開けたら閉まらなくなっちゃった...」と助けを求めて来たのはトルステン・シュミット(GER/マルティン・シュミットのお兄ちゃん)。はにかんだ顔がかわいい! アッカーマンは甘いものが食べたいとセブンイレブンに買いに行く(開いててよかったね!!)。そのほか、部屋が香水臭いから代えてほしいとか(ロドウィック/USA)。明日は今日の到着時間を鑑みて予定が少し遅れる。午前中は何も予定がないので、少しはゆっくりできるのだが、初日からコレだ!! 私事ですが部屋の暖房が効いてなくて(急遽シングルにしてくれたからですね)寒くて寝られなかった...前途多難?!
1月21日 水曜日 朝から軽い雪。9時までの朝食時間が10時に伸びる。

人口27,138人の名寄市で困ったこと、それは外国人が滞在するなどということは想定されていないということだった。外国で発行されたカードではお金がおろせない。現金も両替できるのはUSドルのみ。ほとんどがヨーロッパ人だから困った。もっとも、使うようなところもないといえばないんだけど。いいこともある。ホテルでは公衆電話からでも部屋からでも電話代が同じだった。ふつう部屋からかけるとすごく高い。

午前中は嵐の前の静けさ。何事も起こらなかった。
昼食。AUTチームがごはんを所望する。腹持ちがいいからかな? 本当は出す予定はなかったというのを出してもらう。 Danke schoen!! スープに混ぜて食べる、食べる!!「それにしても、何でこんなに英語が通じないの?」とマリオに言われる...。

午後、健康の森にてクロスカントリー練習。「新雪で柔らかいので走るのに苦労するけど、練習をしていけば固まってくるだろう」と話してくれたのはドイツのイェンス・ガイザー。"雪質日本一"を掲げる名寄にしては暖かく湿った雪だった。

夕方、FINチームが旭川空港に到着予定。彼らは他のチームのようにフランクフルト経由という道を選ばず、ヘルシンキ-成田の直行便でやって来た。成田に到着後、成田-羽田間のバスが用意してあったのにno show。それでも羽田で搭乗したというから、あの荷物を持ってよく自力で移動したね...。無事到着してホット胸をなで下ろす。ちなみに純ジャンFINチームも来年からこの方法--フランクを経由しない--をとりたいと言っているらしい。

NORチームのジャンプコーチ、ラッセ・オッテセンがバレーボールを希望。苦労して抑えた体育館を手違いでキャンセルしてしまう。ごめんラッセ。許して...。(でも、あたしのせいじゃないよ〜)

自由時間の選手・コーチの要望は、インターネットしたい(ゴメン、できないの)、家に電話かけたい 、飲みに行くから両替して(ワックスマン、コーチ)。NORのモアンはスニーカーが買いたいって。またなんでここで...? 札幌で買えば?「今、使いたいんだもん」でスポーツ店を教える。カードは無事に使えて、スニーカーを手に満足げなご帰還だった。そういえばモアンくん、「国に帰ったら"マグヌス"ってカタカナで腕にタトゥー入れるんだ」って言ってた。「クールでしょ?!」「そ、そう?」

純ジャンプ班/白馬:到着できない選手がいるため、予選は翌日に延期される。トレーニングで好調なのは、アホネン、葛西、リュケルソイ。
1月22日 木曜日 今日も小雪。-3℃。名寄にしては本当に暖かい。9:15、ジャンプ台へ出発。ホテルからバスで20分ほど。11:00からトレーニング開始。ノーマルヒル(K90)。練習は3本。
1本目:1位はロドウィック(USA)88m、スピレーン(USA)87.5m。スピードが出ずゲートを2つ上げる。高橋大斗87.5m、アッカーマン(GER)86m、シュミット(SUI):85m。
2本目:さらにゲートを上げる。フォンランテン(SUI)86m、ビーラー(AUT)85.5m、アッカーマン85.5m、タンデ(NOR)85m、大斗85m。
3本目:またまたゲートを2つ上げる。ビーラー94.5m、ラユネン(FIN)91.5m、カイタイネン(FIN)90m。

アッカーマンの話:
−開幕4連勝、そしてもう1つ勝って、ここ4戦よくないのはなぜ?
まずノーマルは得意じゃない(4戦ともすべてK90)。ジャンプの調子が良くなくて、4戦すべて同じミス。テイクオフのタイミングの遅れ(コーチ曰く、彼は深くクラウチングを組むのでそれで遅れるのだそうだ。でも、名寄はノーマルヒルでも近代的なプロフィールで、テーブルが長いので彼向きだという)。
−今シーズン特に意識してトレーニングしてきたことは?
よく休むようにしている。今までず〜っと走ってきたから。
−長所はなんですか? ジャンプとか、クロスとか、精神的に強いとか...
飛べて、走れること、かな。
−今の調子はどう? 時差ぼけとか...。
それはみんな同じ条件。ダイトだって有利ではない。それは大変だけど、特に問題はない。大丈夫。
−日本は好き? 何が好き?
食べものではごはんが好き。あとは魚。食事は合うよ。

左:兄トルステン、右:弟マルティン、うり二つのシュミット兄弟です。
ジャンプ練習を終えて帰るとき、12番のゼッケンが返却されていないと言う。「12番の人、ゼッケン返して!」というと、「Ich(ボク!!)」と言ったのは...トルステン(シュミット)。チームメートが一斉に「Oh、トルステン!!!」と囃し立てる。キミなら許してあげましょう...。

午後、クロカン練習。夕方、スポーツセンターで筋トレ。ドイツはミーティングでバスの出発時間に間に合わず、走っていく。地図に印をつけて説明しただけだったのでちょっと心配だったけど、ちゃんと行き着いて、ちゃんと帰ってきて、よかったよ、と言う。よしよし。

そんなとき、白馬から純ジャンプの試合がキャンセルになったという連絡が入る。それだけならいいのだけど、試合は中止ではなく翌日に延期、というのだ。予定ではジャンプ班は23日3時ごろに千歳に到着、札幌に宿泊だった。それが23日は白馬で試合をし、東京まで行き東京で宿泊。翌24日朝札幌入りだという。言うのは簡単だが、東京の宿、飛行機のチケットの手配、札幌の宿のキャンセル...しかも100人分も...旅行社は大変だ。悪天候による中止、もしくは延期という今シーズンの流行を日本も踏襲した。

そんなパニック状態のとき、サンパ・ラユネンがもう1つ問題を持ち込んでくれた。新しいスーツをフィンランドから送ったのだけど、それが土曜日に関空に着く。どうやって千歳で受け取ればいいのか、どうやって札幌まで持ってくるかという相談だった。サンパは「ちょっとお願いがある」とこともなげに言ったけれど、実はコレはとてつもなく大変なことだった。まず、頼みのエージェントは白馬のキャンセルの件で忙しく、助けてもらうことができない。そしてサンパが言ってきたのが6時過ぎ。FIN Airや関空などすべてのビジネスアワーが終わっていた。結局、この日は何もできずに終わる。

1月23日 金曜日 いよいよ試合の日。8時ホテル出発。雲1つない快晴。複合班は日頃の行いがいいのだろう...天気に恵まれる。インディビデュアル グンダーセン、つまりふつうの個人戦です。
1本目、AUTのクリストフ・ビーラーが98mで原田の持つシャンツェレコード(97.5m)を書き換える。いやぁ、絶好調だね...。ロドウィック(USA/94.5m)、ルー(FRA/94m)、高橋大斗(93m)、グルーバー(AUT/93m)。アッカーマン、ラユネンが92mで続く。
2本目、ルー94m、大斗95m、アッカーマン94.5m、ビーラー、ロドウィック94.5m。2本のジャンプが終わってトップはビーラー。18秒遅れでルー、ロドウィック22秒遅れ。大斗は28秒遅れの4位。5位アッカーマン40秒遅れ、6位ラユネン1:06秒遅れ。ジャンプ9番スタートだった北村選手は13位。富井選手26位、畠山選手40位。

表彰式が終わるころには日が落ち、放射冷却現象で気温がぐっと下がる。
クロスカントリーのスタートは2時。スタジアムでファンの方に温かい紅茶をご馳走になる(ブランデー、ゆずジャム入り)。とても暖まって、おいしかった。ごちそうさまでした。

3.750kmを4周するコース。スクリーンがないので場内アナウンスが順位の頼り。ジャンプ上位の顔ぶれを見るとクロスが得意なのはアッカーマン、ラユネン、ハーゼナイ、ロドウィック。マンニネンは1:38秒差で十分可能性がある。

最終周をトップでスタジアムに入ってきたのはマンニネン、ラユネン、ハーゼナイ、アッカーマンの4人。この集団で常に先頭をひいていたのはマンニネン。ハーゼナイは先頭に出たがらず、ラユネンもひきたくないのか、ひけないのか。バックストレートでマンニネンが自分のスキーとスキーの間にストックをついてしまい転倒。それをきっかけに残りの3人がスパートをかける。トップでゴールを切ったのはラユネンだった。今季初優勝。通算20勝目をあげた。2位はハーゼナイ、3位にはマンニネンが入って今季初のイエロービブを手に入れた。
アッカーマンはゴール前で疲れ、転んだマンニネンに抜き返され4位だった。Results

3位:ハンヌ・マンニネン
ジャンプ(90.0+90.5m/232.0点/11位)には満足。自分のベストではないけど悪くはなかった。転倒後、まだエネルギーがあったのでロニーを抜いて3位になれた。走りはとてもいい感じ。スキーもよかったし、よく走れた。3位でも総合で1位になれることはわかっていた。

いつもとても感じのいいハーゼナイ。通称ハージィ。
2位:セバスティアン・ハーゼナイ
ハンヌが転んで、今しかないと思った。でもサンパが強かった。ここまで体調があまりよくなかったので2位になれてうれしい。ジャンプはよくなってきている。

1位:サンパ・ラユネン
勝てると思わなかった。先頭グループについていこうと思った。ハンヌの転倒でスパートした。エネルギーがゴールまで持った。

4位:ロニー・アッカーマン
イエロービブは取られたけどシーズンはまだ半ばだし、これからもいろいろ起こるだろうから気にしていない。レースの結果にもあまりがっかりしていない。またいい結果が出せたし、調子は上向き。

クロカンコースからホテルに戻り、まず軽くごはんとスープを摂る。その後、荷造りをして札幌へ。ロニーはコンビニで甘いものを買い込んでバスに乗る。5:30過ぎ、名寄を出発。バスの中で夕食(お弁当)。砂川でトイレ休憩。渋滞もなく9時過ぎには札幌に到着する。

ジャンプ班/白馬:雪で予選はキャンセル。全員が本戦に進むも試技もなし。シュプールに積もる雪。整備後すぐに飛んだマッティ・ハウタマキが優勝する。シーズン2勝目。マルティン・シュミットが飛んだあとゴーグルを投げているのは、ゴーグルが凍って見えなかったからだそう。う〜ん、みんな大変だったね。Results 

Next 》》》》 》