◆◇◆◇◆◇◆ NORDIC COMBINED ◆◇◆◇◆◇◆

2005/2006 WORLD CUP
05/06の上位3名と個人的注目選手の各試合のジャンプとクロスカントリーの順位と、
アッカーマンがマテリアルに不満を訴えているので、使用スキーメーカーを記す。
今季で撤退するロシニョールを使っているのは上位選手ではアッカーマンとラミィシャプイ。
モアンも昨季までジャンプスキーはロシニョールだったが、今季からアトミックに換えている。

*Ger=Germina Mad=Madsuhus Ato=Atomic Fis=FIsche Rossi=Rossignol
Manninen
Moan
Kircheisen
Tande
Gottwald
Ackermann
SJ Ski/CC Ski*
Ger/Mad
Ato/Mad
Fis/Fis
Fis/Fis
Fis/Fis
Rossi/Rossi
前/後/結
前/後/結
前/後/結
前/後/結
前/後/結
前/後/結
I
Kuusamo
G
4/1/1
1
14/7/5
5
20/9/11
11
5/21/3
3
16/6/6
6
27/5/13
13
S
30/1/4
1
28/2/5
5
34/5/22
15
2/23/2
2
23/3/6
6
25/8/16
14
Lillehammer
G
4/3/1
1
25/5/11
6
29/6/17
16
5/27/16
3
22/2/2
2
16/4/3
10
S
11/4/1
1
38/3/15
9
29/7/11
14
18/15/17
5
25/6/8
2
12/2/3
7
Ramsau
M
3/12/6
1
5/9/3
6
7/28/22
16
14/1/1
2
DNF
5
4/6/2
3
S
13/13/4
1
12/2/1
3
26/16/23
19
3/31/6
2
27/6/22
7
17/4/12
4
II
Oberhof
G
18/1/1
1
26/4/3
2
34/2/8
16
5/23/14
4
37/6/21
8
11/3/2
3
Ruhpolding
S
5/12/5
1
28/5/7
4
35/2/9
15
1/20/3
3
19/1/1
5
10/3/2
2
Schonach
G
11/4/1
1
24/1/3
3
33/6/18
15
20/DNS
4
17/2/4
5
16/3/5
2
Val diFiemme
M
1/10/1
1
4/20/4
3
8/12/11
14
17/5/8
4
3/22/15
6
10/15/16
2
S
17/1/1
1
24/10/15
3
15/4/5
12
2/23/8
4
11/2/3
6
11/9/11
2
Harrachov
G
3/3/1
1
DNS
3
19/1/5
12
DNS
5
DNS
6
DNS
2
S
12/1/1
1
DNS
3
4/5/2
10
DNS
5
DNS
7
DNS
2
Seefeld
S
8/4/1
1
16/3/2
2
26/1/6
9
11/28/24
8
24/2/7
6
DNS
4
G
6/4/1
1
18/2/5
2
23/3/8
9
3/15/6
8
12/1/4
4
DNS
7
O
W
G
Torino
G
18/15/18
9/3/3
16/4/7
2/22/4
11/2/2
18/15/18
S
10/19/8
13/2/2
21/3/7
5/22/6
12/1/1
10/19/8
III
Lahti
G
DNS
1
2/5/1
2
10/4/2
9
3/20/7
6
27/1/3
3
21/10/16
8
S
DNS
1
11/6/5
2
9/3/1
4
1/20/2
3
40/1/17
5
26/11/16
9
Oslo
G
21/4/7
1
17/3/5
2
19/2/4
4
3/12/1
3
40/1/11
5
22/16/19
10
S
24/4/13
1
16/2/2
2
9/5/1
3
15/16/14
4
35/1/9
6
11/6/4
9
Sapporo
M
2/1/1
1
4/7/4
2
3/3/2
3
9/8/13
4
1/27/9
5
DNS
10
S
12/2/2
1
24/4/7
2
13/3/4
3
4/10/3
4
30/1/9
7
DNS
11
Overall
S
1
2
3
6
8
10
W
1
2
3
4
7
11
G=Gundersen, S=Sprint, M=Mass start, SJ=Ski Jumping, CC=Cross Country 前=前半順位, 後=後半順位, 結=試合結果, 総=WC総合順位
グンダーセン、スプリントは前半がジャンプ、後半がクロスカントリー
マススタートは前半がクロスカントリー、後半がジャンプ


マンニネンの三連覇とトリノオリンピック
05/06はマンニネンが早々とWC総合優勝を決めたシーズンであり、トリノでゴットヴァルトが金メダルを獲ったシーズンであり、札幌でファイナルがあったシーズンだった。
開幕戦から一度もトップの座を明け渡すことがなかったからか、04/05よりもずっとマンニネンの圧勝だと思っていたが、そうでもない。04/05は17戦中10勝。アッカーマンが4勝、ゴットヴァルト、モアン、キルヒアイゼンが1勝ずつ。05/06は21戦中12勝でモアン、タンデ、キルヒアイゼンが2勝ずつ、シュテヒャー、ゴットヴァルト、ラミィシャプイが各1勝と、優勝者も昨季よりも多い、その分、試合数も多いけど。前半ジャンプをグンダーセンなら2分かそこら、スプリントなら1分差ぐらいにつけていれば、ああ、またハンヌに持って行かれるのか、と思う。多くの試合はマンニネンが勝つか否かが焦点だった。トリノの失速は未だに謎だが、走り偏重の現行のルールでは、今のジャンプを続けられる限り、マンニネンの黄金期は続くのかもしれない。

◆ロニー・アッカーマン
05/06シーズンを語るに当たって、1つのポイントはマンニネンのライバルになり得たアッカーマンだと思う。アッカーマンは04/05シーズン、4勝で総合2位。後半は勝てなかったが、自国開催のWMで二冠(個人/スプリント)。いいシーズンでもあった。05/06は走力をつけたために体重が2、3kg増加。これがジャンプに影響したという。確かに走りは開幕からひと桁順位が続く。上の表を見てほしい。これまでのアッカーマンを思うと、まるでジャンプとクロスの順位が逆だ。ほかには夏に足首を怪我してジャンプの絶対数が足りていないこと、そして思うようなマテリアルが見つからなかったこともジャンプ不調の原因のようで、ロシニョールの撤退を機に、より良いスキーを探している。
走りを強化したためにジャンプが飛べなくなったとはよく聞く話だ。マリオも言っていた:ヤツは走りじゃ絶対、勝てないと言われ、奮起して走りを強化した、そうするとジャンプが悪くなると気づかずに。でもそのお陰でジャンプがトップじゃなくても勝てるとわかった、と(優勝したクーサモはジャンプ9位、クロス9位)。

リレハンメルの乱
雪不足でトロンハイムから変更になったリレハンメルの2戦目。アッカーマンはマンニネンに走路を妨害されたとかで、ゴール後、ストックでマンニネンを叩き、しかも表彰台でマンニネンの握手を無視するという事件があった。その後、アッカーマンはFISから書面で戒告を受け、ラムザウでマンニネンに謝罪した。ちなみにこの2人、別にふだん仲が悪いというわけではない。

◆フェリックス・ゴットヴァルト
ラムザウのマススタートのクロカンでゴットヴァルト、ゴールできず。後半のジャンプは悪天候のため翌日に持ち越される。年末年始のドイツ、ヴァールシュタイナーGP。ルーポルディングでは久々の優勝。フェリックス、今季はあまりにハンヌがよくて、総合争いは早いうちに諦めた。その分、五輪に集中できたので、かえってよかったと札幌の会見でも振り返っている。04/05は最終戦でロドウィックを抜き、総合の表彰台に滑り込んだが、ラムザウ(途中棄権)やオーバーホフ(23位)を考えると、勝つことはできても、もう総合は獲れないのかな、とふと思う。ルーポルディング、大斗は試技で転倒し、病院へ運ばれ、走りではマンニネンが原因不明の失速。

◆棄権者続出の中で
アッカーマンはヴァルディフィエンメを終え、ジャンプを立て直すためにハラホフ、ゼーフェルトを棄権。ハラホフはAUT勢もマテリアルテストのため棄権。NOR勢もNOR選手権のために棄権。マンニネンが危なげなく2勝。ここまではアッカーマン、総合2位だった。ゼーフェルトが終わってマンニネンはすでに11勝。6戦残して2位モアンと659点差で、早くも総合優勝を決める。

◇トリノオリンピック◇
五輪前、早々にWC総合優勝者が決まり、その総合優勝者は金メダルをとれなかった。今度こそ、大大会でマンニネンが勝つのではと思ったのに。何かと波乱が起こる五輪ではあるが、それを差し引いて余りある力がマンニネンには十分あると思った。大大会に合わせるのがうまいと言われるドイツ、アッカーマン。プレ大会はWM準備のために欠場していたし、調子も上がってこなかった。ゴットヴァルトはプレ大会を勝っているので確かにいい印象を持っていたかもしれない。

◆最終ピリオド
ラハティ。マンニネンはインフルエンザのため欠場。2戦目のスプリントでキルヒアイゼン優勝。今季、ドイツ人が勝つのは初めて。オスロ。マンニネンは病み上がりのせいか、精彩を欠いた。1戦目の表彰台はタンデ(21歳)、ラミシャプイ(19歳)、コイヴランタ(17歳)と若手が並んだ。ノルディックスキーの聖地、ホルメンコーレン。ここでトッド・ロドウィックが現役を引退。トッドは最終戦の札幌は欠場。そしてアッカーマンもこの時点で総合9位でシーズンを終えた。

◆ビヨルン・キルヒアイゼン
オスロの2戦目、ハリケーンスプリント。キルヒアイゼン2勝目。ずっと低迷していたジャンプがよくなってきた。ラハティ1戦目ではジャンプ10位、クロス4位の2位。2戦目は9位+3位=1位、オスロ19位+2位=4位と9位+5位=1位。02/03シーズン、トロンハイムで3連勝し、総合で3位になっている。今季の勝ちはその3連勝以来。純ジャンパーのように細いのに、走れる。負けず嫌いで、前半飛ばしすぎ、そのペースが後半続かないきらいがある。今後、総合優勝を狙える選手かどうかというと、私にはその予感はない。まぁ、まだ若いのでわからないが。札幌でもがんばって総合で表彰台に乗った。そういう流れだったかなとも思う。総合で10位に入ってきたのが13戦目のハラホフ。その後は10位以内を保ち、ラハティで勝ってぐっと表彰台を引き寄せた。

◆マグヌス・モアンとペッテル・タンデ
今季はNORもよかった。モアン(22歳)とタンデ(20歳)。モアンはトリノ五輪でも個人で銅、スプリントで銀。WC総合では2位。タンデは総合4位。クロカン型(モアン)とジャンプ型(タンデ)とタイプは正反対。トリノの個人戦では2人で3位を争った。タンデは97/98、98/99と総合二連覇したヴィークに匹敵するタレントと言われているが、モアンの方が「大物」というか、クロカン型に有利なルール上も将来性があるような気がしている。3年前、ライトイムヴィンクルでモアンが初優勝したとき、NORにとって3年ぶりの勝利だった。札幌でいい成績を残しているハマーは今季で引退するが、ハンヌの総合四連覇を阻止するのはNORかもしれない。


ジャンプの勝者とクロスの勝者→試合の勝者
Winner Ski Jumping
Winner Cross Country
Winner
I
Kuusamo
G
Lamy Chappuis
Manninen
Mannninen
S
Takahashi
Manninen
Stecher
Lillehammer
G
Koivuranta
Haseney
Mannninen
S
Koivuranta
Haseney
Mannninen
Ramsau
M
Tande
Hammer
Tande
S
Hettich
Hammer
Moan
II
Oberhof
G
Takahashi
Manninen
Manninen
Ruhpolding
S
Tande
Gottwald
Gottwald
Schonach
G
Bieler
Moan
Manninen
Val diFiemme
M
Koivuranta
Manninen
Manninen
S
Bieler
Manninen
Manninen
Harrachov
G
Hettich
Kircheisen
Manninen
S
Takahashi
Manninen
Manninen
Seefeld
S
Bieler
Kircheisen
Manninen
G
Bieler
Gottwald
Manninen
O
W
G
Torino
G
Hettich
Haseney
Hettich
S
Hettich
Gottwald
Gottwald
III
Lahti
G
Koivuranta
Gottwald
Moan
S
Tande
Gottwald
Kircheisen
Oslo
G
Lamy Chappuis
Gottwald
Tande
S
Tallus
Gottwald
Kircheisen
Sapporo
M
Manninen
Gottwald
Manninen
S
Lamy Chappuis
Gottwald
Lamy Chappuis

勝利数 +()はトリノオリンピック
Ski Jumping
Cross Country
Winn
Bieler
4勝
Gottwald
7勝+1勝
Manninen
12勝
Koivuranta
4勝
Manninen
6勝
Moan
2勝
Takahashi
3勝
Kircheisen
2勝
Kircheisen
2勝
Tande
3勝
Haseney
2勝+1勝
Tande
2勝
Lamy Chappuis
3勝
Hammer
2勝
Lamy Chappuis
1勝
Hettich
2勝+2勝
Moan
1勝
Gottwald
1勝+1勝
Manninen
1勝
Stecher
1勝
Tallus
1勝
(Hettich)
(1勝)
ジャンプの勝者が試合に勝ったのは21戦中3戦+トリノのヘティッヒ。うちマススタートが2戦。マススタートはジャンプの強い選手に有利と言いたいところなのだが、そのうちの1勝はマンニネンだ。クロスの勝者が優勝したのは21戦中6戦+トリノのゴットヴァルト。ゴットヴァルトのクロス7回トップタイムというのは確かにすばらしいのだが、裏を返せば、前半のジャンプで出遅れることも多く、後半、全力で走っているということだ。人より速く走れて、それで表彰台や入賞に届くというのはスゴイことです。