FIS WORLD CUP NORDIC CMBINED 2005 SAPPORO

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28th Official Training | 29th Massstart・CrossJump | 30th Gundersen・JumpCross | WC Overall

参加選手数は日本人を含めて30人。昨年に比べて10人ほど少ない。最後まで棄権しなければWCポイントが取れる。WMとトリノ五輪のリハーサルをひかえて、札幌に来ないという選択は理解できるけれど、少々さびしい...。
AUT、Aチームは暖かいところでWMのために英気を養っているそうだ...
優勝候補はマンニネン、アッカーマン、ロドウィック。ノルウェーもいい。
そこに高橋大斗がどう絡んでいけるか...地元初優勝を願って...
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05年1月28日(金) 公式練習 HS134
1本目(順位)
2本目(順位)
3本目(順位)
モアン(NOR) 117.5m(19) 118.0m(2) 123.5m(14)
タンデ(NOR) 117.0m(10) 118.0m(2) 126.5m(13)
ツァウナー(AUT) 123.0m(24)
117.5m(4)
131.0m(12)
アッカーマン(GER) 123.0m(24) 123.5m(1) 131.5m(11)
ヘティッヒ(GER) 127.0m(11) 107.5m(8) 109.0m(11)
ロドウィック(USA) 127.0m(11) 112.0m(5) 121.0m(15)
午前中、白旗山で練習/インスペクション(ジャンプのフリー練習を選んだチームもある)、夕方からはジャンプの公式練習が行われた。上の表はジャンプの上位を拾ってみた。FIN、JPNは参加していない(結果詳細:札幌スキー連盟HP)。明日はジャンプが得意な選手に有利と言われるマススタートだが、昨年のマススタートは、アッカーマンはクロカンで転倒(その後、発熱し、翌日曜日の試合を棄権している)、マンニネンが優勝している。やはり勝敗はマンニネンがどれだけ飛ぶかにかかっている...
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05年1月29日(土) マススタート10km/HS134
前半クロカンでは16位高橋大斗。
ヴァルディフィエンメWCがキャンセルになり、今季最初で唯一のマススタートでの試合。前半クロスカントリーはWCランキング順に並んでの一斉スタート。トップゴールの選手が120点、2位以下はタイム差を得点(1分15点)に換算して120点から減点され(つまり1分差なら105点)、その持ち点でジャンプをスタートする。ジャンプは2本。飛型点は採点されず、テレマークなし(-4.8点)と転倒(-10.8点)だけが減点される。

マススタートはジャンプが得意な選手に有利とされている。一斉スタートのため、スタート時の差はないし、周りの選手を風よけに使ってうまく走ることもできる。大ジャンプをすれば1分ぐらいの差なら逆転できる。クロカンが得意なマンニネンはマススタート方式が「好きではない」と去年の記者会見で語っている。今の彼のジャンプの調子は公式練習をパスしているのでわからない。ぶっつけ本番で大丈夫? それとも、それほど余裕なの?

暖かい気温で緩んだ重たい雪。前半、クロスカントリーでマンニネンを追いかけたのはGERのハーゼナイ、キルヒアイゼンとNORのハマー、モアン。マンニネンは2位のハーゼナイに17秒差で1位ゴール。アッカーマンは6位、マンニネンに1:03.3秒/15.8点差。距離にして約13.2m。

前半クロスカントリー10kmマススタート結果
タイム
タイム差
得点
11. マンニネン(FIN) 24:54.9 8-- 120.0点
12. ハーゼナイ(GER) 25:12.1
+0:17.0
115.7点
13. ハマー(NOR) 25:18.5
+0:24.0
114.0点
14. キルヒアイゼン(GER) 25:33.9
+0:39.0
110.2点
15. モアン(NOR) 25:53.2 +0:58.0 105.5点
16. アッカーマン(GER) 25:58.1 +1:03.0 104.2点
17. フーシュラー(SUI) 25:58.5 +1:04.0 104.0点
18. ヘティッヒ(GER) 26:04.9 +1:10.0 102.5点
19. タンデ(NOR) 26:06.5 +1:12.0 102.0点
10. タッルス(FIN) 26:08.9 +1:14.0 101.5点
12. 北村隆(JPN) 26:13.0 +1:18.0 100.5点
13. 高橋大斗(JPN) 26:35.6 +1:41.0 194.7点
25. 竹本和也(JPN) 28:09.4 +3:15.0 171.2点
29. 薄井智行(JPN) 28:12.7 +3:18.0 170.5点

マンニネンは去年あたりから本当に失敗ジャンプの確率が減った。複合選手全体に言えることだが、少し前まではちょっと腰が引けた感じの、ドタッ、バタッというジャンプだったのが、最近、洗練されてきた。

小雨が降っている。手袋をしなくも大丈夫なほど暖かい。気温は...3℃。ああ、やっぱりプラス...。風はほとんどない。1本目、マンニネンは2位のジャンプ。クロスのマージンを入れてトップのまま折り返す。アッカーマンは5位に入るジャンプで4位まで順位を上げたものの、マンニネンとはさらに3.6点広がり19.4点差。一番飛んだのはただ1人K点越えの高橋大斗。13位から7位まで挽回する。

マンニネン、楽勝、に見えた。ところが2本目、アッカーマンがあと3人(モアン、ハマー、そしてマンニネン)を残してドカ〜ンと飛んできた。最長不倒の123.0m/63.6点でマンニネンにプレッシャーをかける。やっと出た大ジャンプに会場が沸く。そして最終ジャンパー、マンニネンがK点手前にボトッと落ちた。電光掲示板の一番上にFINの文字が点灯するまで、ひょっとしたらアッカーマンが逆転かと誰もが思っただろう。

実際にはマンニネンは2本目で44.2点以上取れば勝つには十分で、それには107.0m飛べばよかった。2本目のマンニネンの飛距離は109.5m。かろうじてトップを守る。最後に飛んだ高橋大斗は118.0mで、惜しくも地元優勝ならず。じつはマンニネンかアッカーマンか大斗かは、通訳スタッフにとっても優勝インタビューがFIN語か独語か通訳なしかの瀬戸際だった...。
アッカーマン、1本目であと3m飛んでおけば勝ててたのに...でも本人はまぁ満足げだった。

マススタート、ジャンプ得意な選手が有利だのそうじゃないの、いろいろ言われているが、試合展開としてはとてもおもしろいと思う。どっちにしても、接戦がいいですね...

10kmマススタート/HS134 最終結果
飛距離/得点(順位)
総得点
11. マンニネン(FIN) 119.5+109.5m/106.8点(19)
226.8点8
12. アッカーマン(GER) 116.5+123.0m/119.4点(22) 223.6点
13. モアン(NOR) 119.0+117.5m/115.8点(24) 221.3点
14. 高橋大斗(JPN) 121.5+118.0m/119.4点(12) 214.1点
15. ヘティッヒ(GER) 116.0+116.0m/110.4点(15) 212.9点
16. タンデ(NOR) 110.5+121.5m/110.4点(15) 212.4点
17. ハマー(NOR) 112.5+102.5m/190.0点(15) 204.0点
18. キルヒアイゼン(GER) 109.0+102.0m/185.2点(15) 195.4点
19. ツァウナー(AUT) 119.0+122.5m/121.8点(21) 192.5点
10. ロドウィック(USA) 116.0+114.5m/108.6点(27) 192.1点
16. 北村隆(JPN) 109.0+199.0m/181.6点(22) 182.1点
29. 竹本和也(JPN) 199.0+104.5m/176.2点(25) 147.4点
30. 薄井智行(JPN) 199.0+102.0m/173.2点(26) 143.7点
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05年1月30日(日) HS134/15km マンニネン、6連勝。今季8勝目、札幌4連勝。
試合前、サッカーに興じるアッカーマン。「お〜い、こっちこっち」
マンニネンは負ける気がしない。焦らず、たゆまず、怠らず...きっとまた勝つんだろうな、という気がする。一方のアッカーマンは試合前、NOR選手とサッカーをしてとてもリラックスしている。ドイツ語訛りの英語が弾んでいる。寒いけれど、天気はいい。
きのう暖かく、一度溶けた雪がここかしこで凍っている。シュプールが滑ってカンテで立ち上がるのに骨が折れる、とテストジャンパーが言う。

11番スタートのツァウナー(AUT)がシャンツェレコードに値する142mを飛び、キャンセルになる。2つゲートを下げて再開すると今度は14番スタートのコイヴランタ(FIN)が143m飛ぶ。さらにゲートを2つ下げる。それでも1本目のベスト5は全員130m越え。ツァウナー、コイヴランタはともに135.5m。しっかりテレマークも入れたコイヴランタが飛型点で上回る。しかしトップに立ったのは138m飛んだ高橋大斗。アッカーマン10位、マンニネン11位。

2本目を飛び始めると、急に雪が降り始め、30分間の中断。30分が過ぎ、1本目で成立か?と思い始めたそのとき、雪が止んだ。再開だ。ジャンプが終わって上位には若手が並んだ。コイヴランタ、高橋、エーデルマン(GER)、ツァウナー、タッルス(FIN)。ここにいつもならビーラーやグルーバーが加わるのだが...。マンニネンは7位、2:20秒差。アッカーマンは13位、4:18秒差と出遅れた。アッカーマンは白旗山へのバスが出る最後の最後まで選手控え室でビデオを見ながらヴァインブーッフ、バウアー両コーチとジャンプについてディスカッションしていた。

アッカーマンのジャンプが安定しないのは、新しい靴のせいらしい。WMでマンニネンに対抗するためにシーズン半ばになって靴を変えるというリスクを犯しているのだという。そのためにとくに踏み切りで問題があるようだ。とにかく練習が必要とのこと。WMは短期決戦。マンニネンは最有力優勝候補だけれど、誰が勝つかはまったくわからない。

個人グンダーセン 前半ジャンプ HS134
飛距離/得点(順位)
タイム差
11. コイヴランタ(FIN) 135.5+136.5m/271.9点
8-
12. 高橋大斗(JPN) 138.0+132.0m/266.5点
+0:22
13. エーデルマン(GER) 133.0+128.5m/252.3点
+1:18
14. ツァウナー(AUT) 135.5+121.5m/246.9点
+1:40
15. タッルス(FIN) 125.5+121.5m/238.4点 +2:14
16. タンデ(NOR) 125.5+123.0m/238.2点 +2:15
17. マンニネン(FIN) 121.5+125.0m/236.8点 +2:20
18. ヘティッヒ(GER) 131.5+112.0m/231.2点 +2:43
19. ハマー(NOR) 125.0+118.0m/231.1点 +2:43
10. カイタイネン(FIN) 113.5+120.5m/219.8点 +3:28
12. 薄井智行(JPN) 114.5+114.5m/213.3点 +3:54
13. アッカーマン(GER) 121.5+103.5m/207.5点 +4:18
17. 竹本和也(JPN) 104.0+106.5m/187.6点 +5:37
22. 北村隆(JPN) 298.0+104.5m/175.0点 +6:28

小雪がちらつく白旗山。気温は-2℃ということだが、体感温度はもっと寒い。7番手、2分20秒差でスタートしたマンニネンがトップを走るコイヴランタと大斗に追いついたのはレース半ばあたり。彼が迫ってくるとき、ダースべーダーのテーマがB.G.M.に流れているようだ...。それからはもう一人旅。彼を脅かす選手は誰一人いない。大斗はコイヴランタとずっと一緒に走っていた。後ろからNORが来るので一緒に逃げようと協定を結んだのだという。牽制しあっていては走りの速いハマーにすぐに追いつかれてしまうのはわかりきっている。この作戦が功を奏したのは「3位には入れると思ったんだけど...」というハマーのコメントでもわかる。そして最後の100m、大斗がスパートをかけ、ゴール前で前に出るとそのまま2位ゴールした。悲願の地元表彰台...。
大差でゴールしたハンヌはゴール後、大して息も切らしていなかった。あれだけの差なら何かゴールパフォーマンスでも考えてほしいものだ...
日が落ちかけた表彰式は寒かった。走ったままのウェアで表彰に出ていたヘティッヒとアッカーマンはコーチにジャケットを借りていた。カゼなどひきませんように...

個人グンダーセン HS134/15km 最終結果
ジャンプ得点/順位
時間差
15kmタイム(順位)
タイム差
11. マンニネン(FIN) 236.8点/17位
+2:208
35:05.8(12)
-
12. 高橋大斗(JPN) 266.5点/12位
+0:22
37:53.2(20) +00:49.9
13. コイヴランタ(FIN) 271.9点/11位
-
38:15.8(23) +00:50.0
14. ハマー(NOR) 231.1点/19位
+2:43
35:46.7(13) +01:03.9
15. エーデルマン(GER) 252.3点/13位 +1:18 37:48.0(19) +01:40.2
16. タンデ(NOR) 238.2点/16位 +2:15 36:55.5(11) +01:44.7
17. タッルス(FIN) 238.4点/15位 +2:14 37:00.0(13) +01:48.2
18. ヘティッヒ(GER) 231.2点/18位 +2:43 37:17.6(15) +02:34.8
19. キルヒアイゼン(GER) 204.9点/14位 +4:28 35:55.9(14) +02:58.1
10. アッカーマン(GER) 207.5点/13位 +4:18 36:08.3(15) +03:00.5
18. 北村隆(JPN) 175.0点/22位 +6:28 26:13.0(12) +05:56.6
21. 薄井智行(JPN) 213.3点/12位 +3:54 28:09.4(25)1 +06:34.4
30. 竹本和也(JPN) 187.6点/17位 +5:37 28:12.7(29) +10:02.0
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とくに日曜日の結果を見ると、通常10位以内に入ってくるAUTのAチームが欠場したことで、いつもとちがった様相を呈している。クロスの結果を見ればフェリックスがいれば、と思うし、ジャンプではビーラーやマリオがいない。でもそのお陰で表彰台や賞金に手が届いたり、というのはいいことだと思う。自ずと課題も見えてくる。
それにしても先頭交替を言い出したコイヴランタって大物かも...? ツァウナー(19歳)やコイヴランタ(16歳)はスペシャルジャンパーとも張り合える。とくにコイヴランタはFIN選手権の純ジャンプでいいところまで行っている。
ツァウナーは土曜日のマススタートではクロスでビリから3番目の28位、ジャンプでは1位でその結果9位。日曜日はジャンプ4位、クロス26位、結果12位。
複合から純ジャンプに転向した選手は多いが、やはり純ジャンプの方がFINもAUTも層が厚く、競争率が高い。複合としてはもちろんこのまま育てたいだろう。2007札幌WMのころには勝てる選手になっているかも?!
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WC個人総合
11. マンニネン(FIN) 1046点→
12. アッカーマン(GER) 1810点→
13. ロドウィック(USA) 1564点→
14. ゴットヴァルト(AUT) 1449点→
15. タンデ(NOR) 1415点↑
16. 高橋大斗(JPN) 1373点↑
21. 北村隆(JPN) 1136点↑
50. 薄井智行(JPN) 1115点↑
53. 竹本和也(JPN) 1109点↑
国別対抗
1. GER 1643点↑
2. FIN 1554点↑
3. AUT 1432点↓
4. NOR 1298点→
5. USA 1999点→
6. JPN 1531点→
ゴットヴァルトは札幌を欠場したにもかかわらずWC総合の順位を落とさなかった。高橋大斗、6位に上昇です。国別ではAUTはGERとFINに追い越された。